普段何気なく食べているものが野菜なのか、果物なのか、悩むはときはありませんか?
特に、果物だと思っているものが野菜に分類されていたり、逆に野菜と思って食べていたものが果物だと知ったら、少し面白いですよね。
そこで今回は、南国フルーツの代名詞、パイナップルが野菜なのか、果物なのかについてご紹介します。
また、パイナップルのおすすめのレシピや栄養成分についても詳しくお伝えします。
パイナップルは野菜?それとも果物?
パイナップルが野菜なのか、それとも果物なのかについてですが、一般的に私たちはパイナップルを果物として扱います。
さらに、パイナップルは通常、フルーツコーナーに置かれていますよね。
しかし、農林水産省の示す野菜と果物の見解で区別した場合、パイナップルは野菜に定義されます。
そこで、野菜と果物が農林水産省でどのように区別されているかを見てみましょう。
- 野菜
畑などに植えて、1年で収穫できる草本植物。
そして、加工が不要でおかずに使われるもの。 - 果物
2年以上栽培する草本植物、または木本植物。
さらに、果実のみを食べるもの。
これにパイナップルを当てはめると、実はパイナップルはどちらも持ち合わせた植物ということがわかります。
パイナップルは、草本植物で、木になる果実はないので、この区別で見ると野菜に分類されます。
しかし、果実のみを食べるので、パイナップルとも言えるのです。
このように考えると、パイナップルは農林水産省の区別では野菜でもあり、果物でもあります。
そのため、パイナップルのような植物は「果実的野菜」と呼ばれます。
パイナップルの豆知識
ブラジル原産のパイナップルは、大航海時代にコロンブスが発見し、ヨーロッパに持ち帰ります。
その後、さまざまな地域に広がり、日本への伝来は江戸時代末期です。
パイナップルという名前は、英語のパイン(松)とアップル(りんご)を掛け合わせてものと言われています。
これは、パナナップルの見た目が松ぼっくりに似ていて、甘いりんごの香りがすることが由来です。
ちなみに、パイナップルは漢字で表記すると、「菠蘿(はら)」、または「鳳梨」です。
また、植物名としての呼び名は「アナナス」です。
パイナップルが野菜か果物かはシチュエーションで変化
上記の区別で考えると、パイナップルは、野菜と果物の両方の性質を持つ果実的野菜です。
そのため、しっかりと区別して考えるのは難しいのかもしれません。
しかし、私たちの生活でのパイナップルの区分は果物であることが多いのではないでしょうか。
例えば、スーパーでパイナップルを買うときは、果物のコーナーへ行きます。
また、厚生労働省では、野菜と果物の分類基準を栄養成分に基づいて定めています。
厚生労働省の分類基準で見る、野菜と果物の大きな違いは、糖質の含有量によるものです。
このようなことから、糖質の含有量が多いパイナップルは、厚生労働省の分類基準によると、果物に分類されます。
ただし、野菜にも糖質は含まれますが、果物に比べると含有量は少ないです。
パイナップル以外で野菜か果物かで迷う植物
実はパイナップルと同じように、果物的野菜と呼ばれる植物は他にもあります。
それは、いちごやメロン、スイカです。
これらは主に果物として扱われますが、農林水産省の区分では野菜に分類されます。
この農林水産省の分類で区別すると、トマトは木になる、そして果実を食べます。
そのため、もしかしたら果物なのではと思われるかもしれません。
しかし、トマトは野菜として扱われることが多いため、「野菜的果実」と呼ばれます。
ちなみにキウイは、木になる植物なので果物に分類されます。
果実的野菜「パイナップル」の栄養成分
パイナップルの1個あたりのカロリーは約227kcalで、糖質は約52.5gです。
この数値は他の果物を比べると高くもなく低くもないポジションに位置します。
パイナップルには、主にビタミンB1やビタミンC、食物繊維、糖質、ミネラルやブロメラインが含まれます。
パイナップルを食べる時の注意点
パイナップルを食べた時に感じるえぐみで、ちくちくしたり、ピリピリすることがあります。
そのパイナップルのえぐみは塩水に浸したり、加熱をすればやわらぎます。
しかし、加熱をする方法はパイナップルに含まれるブロメラインの効果を弱めます。
そのため、タンパク質を分解して胃腸の調子を整える効果を期待するなら、60℃以下で加熱するのが望ましいです。
加熱をせずに、えぐみを消すなら、パイナップルとヨーグルトの食べ合わせがおすすめです。
ヨーグルトでパイナップルのえぐみが感じにくくなります。
ただし、パイナップルと食べたときに出るえぐみ以外の症状(口にかゆみや腫れ、じんましんなど)が現れた場合は、一度病院を受診しましょう。
パイナップルと野菜と一緒に楽しむレシピ
パイナップルはデザートとしてそのまま食べることはもちろん、料理の材料としても活躍します。
そこで、パイナップルをおいしく変身させるおすすめのレシピをご紹介します。
パイナップルサラダ(ヨーグルトソース)
野菜が苦手なお子様にもおすすめの、ヨーグルトを使ったサラダです。
作り方
- カットしたパイナップルにベビーリーフ(もしくはレタス)やパプリカを加え、お皿に盛り付けます。
- さらに、ヨーグルトとレモン汁、オリーブオイル、はちみつを加え、塩コショウで味を整えソースを作ります。
- ヨーグルトソースはサラダに和える、もしくはかける、どちらでもOKです。
また、パイナップルのサラダは、マヨネーズと酢、はちみつとこしょうを合わせたソースもよく合います。
パイナップルのエスニックスープ(カインチュア風)
ベトナム南部のスープ「カインチュア」はパイナップルを使った酸味のあるスープです。
今回は、身近にある調味料や使いやすい具材でご紹介します。
作り方
- 生姜とセロリ、ネギを薄切りにし、パイナップルは小さくカットします。
- 次に、ミニトマトを半分にカットし、ささみ肉を細切りにします。
- 鍋に水を入れて火にかけ、しょうがと鶏がらスープを加え煮立たせます。
- スープが煮立ったら、ねぎ以外の具材を鍋に入れて、ナンプラーを加えます。
- 最後にネギをちらし、塩コショウで味を整えたら完成です。
パイナップルのスムージー
スムージーはパイナップルを凍らせてミキサーにかけるだけの簡単料理です。
そのため、忙しい朝にもぴったりのレシピとして人気があります。
また、パイナップルのスムージーは、さまざまな食材との相性が良いのでいろいろ試してみましょう。
例えばパイナップルと小松菜のスムージー、パイナップルとマンゴーのスムージーがおすすめです。
スムージーを作るときは水を加える他、パイナップルジュースやアイスクリームを加えてもおいしく仕上がります。
パイナップルは野菜と果物どちらなのかまとめ
パイナップルは野菜と果物のどちらなのか。
その最終的な答えは野菜でもあり、果物でもある、果実的野菜が正解です。
栄養成分に基づく分類では、糖質の含有量が多いため、果物に分類されます。
一方、植物学に基づく分類では、草本植物に実をつけるため、野菜に分類されます。
パイナップルは、甘酸っぱくてジューシーな果物であり、さまざまなシーンで活躍する、とても魅力的な食材です。
ぜひ、パイナップルのさまざまな魅力を、存分に味わってみてください。