梅は、日本を代表する果物の一つです。
梅干し、梅酒、梅シロップなど、さまざまな形で食されています。
しかし、梅は野菜と分類されることもあるため、その分類が気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、梅が野菜なのか果物なのか、その分類について解説します。
梅は野菜か果物か
梅は、バラ科アンズ属の落葉高木です。
学名は「Prunus mume」といいます。
植物分類学上では、梅は果物に分類されます。
果物とは、植物の種子を含んだ、甘味や酸味を持つ食べ物です。
梅は、種子を含んだ実をつけることから、果物に分類されます。
なぜ梅は果物なのか
梅は野菜ではなく、「果物」です。
その理由は、農林水産省の果樹の分類の区別でもわかります。
農林水産省が定める「果樹(果物)」とは、以下に当てはまるものが該当します。
- 木になるもの
- 果実を食用とするもの
どちらも梅は当てはまるので、果物に分類されるのです。
梅の栄養成分と健康効果
ちなみに、梅には主に、以下の栄養成分が含まれています。
- 食物繊維
- ビタミンA・B1・B2・C
- カルシウム
- カリウム
- リン
- クエン酸
- リンゴ酸
- パロチン
この他にもさまざまな栄養成分があります。
梅のもたらす健康効果は、疲労回復や食欲増進の効果などが挙げられます。
さらに、風邪の予防や整腸作用、そして殺菌作用なども期待できます。
梅が果物ではなく野菜と思われる理由
果物に分類される梅。
しかし、なぜ梅は野菜のイメージが強いのでしょうか。
それはやはり、梅干のイメージがあるからでしょう。
一般的に果物は、食後のデザートや、おやつとして食べます。
果物は一般的に甘いものが多いのも特徴ですね。
一方で、梅は、生で食べるよりも、塩漬けや漬物にして食べることが一般的です。
そのため、梅は果物よりも野菜と思われることが多いと思われます。
ちなみに、完熟した梅はまるごとそのまま食べられますが、さほど甘味はありません。
梅を果物として楽しむには
上記のように、梅は完熟しても甘い香りがしますが、味はさほど甘くありません。
そのため、梅を果物としてまるごと楽しむなら、加工品がおすすめです。
例えば、梅のジャムやゼリー、さらに、梅入りのケーキなら、果物としての梅が堪能できます。
また、梅を使ったせんべいや、梅がまるごと入った大福などもおすすめです。
梅シロップで果実の味を楽しもう
収穫時期を迎えた梅は、スーパーなどで多く見かけるようになります。
この時期の梅は、値段もお手頃なので、たくさん購入して梅シロップを作ってみましょう。
【準備するもの】
- 青梅:1kg
- 氷砂糖:1kg
- 容器:4L用
- 爪楊枝、または竹串
【作り方】
- 容器を熱湯消毒し、梅を水を張ったボールに入れて2〜3時間アク抜きをします
- 梅のアク抜きが終わったら、水洗いして水気を切り、キッチンタオルなどで拭きます
- 爪楊枝、または竹串を使って梅のヘタを取ります
- 容器に梅と氷砂糖を交互に入れてフタをします
- 冷暗所に保管し、氷砂糖が溶けやすくなるように容器を1日に数回ゆすります
- 10日程度で梅シロップは完成します
梅シロップができ上がった後は、1カ月以降に梅を取り出して保管しましょう。
また、梅と氷砂糖は同じ分量が基本ですが、慣れてきたら割合を変えても良いでしょう。
おいしく仕上がった梅シロップは水や炭酸水で割ったり、煮込むなどの料理に使ったりできます。
まとめ
梅が野菜なのか果物なのかについて解説してきました。
梅は、植物学的にはバラ科アンズ属の果物です。
しかし、食用としては、塩漬けや梅干しなど、主に調味料や漬物として利用されるため、野菜と認識されることが多いようです。
梅は、その鮮やかな色や酸味、栄養価の高さから、古くから日本人に親しまれてきた果物です。
今後も、梅の魅力を再発見し、さまざまな形で楽しんでいきたいですね。