秋になると、果物が美味しくなりますね。
シャリシャリとした食感が特徴的な、旬の梨を食べるのが楽しみという方も多いでしょう。
さまざまな種類がある梨は、品種によって日持ちにも違いがあります。
さらに水分が多い梨は、保管方法もデリケート。
この記事では、梨の種類ごとの保存方法や日持ちの日数、長持ちさせる方法などについてご紹介します。
梨の品種別保存方法
梨には、和梨、洋梨、中国梨の3種類があり、それぞれに品種が数多く存在します。
洋梨と違い、和梨は収穫後に追熟しないということが特徴です。
そのため、購入後はなるべく早く食べることがおすすめです。
しかし、さまざまなシーンで梨を保存したい場合もあるのではないでしょうか。
ここでは、和梨の品種別に梨の保存方法をご紹介します。
和梨には、皮が黄褐色の赤梨と、淡黄緑色の青梨の、2つの系統がありますよ。
幸水(こうすい)
豊水、新水とともに梨の「三水」と呼ばれる赤梨のひとつ、幸水。
和梨の代表品種とも言われるのが、幸水です。
幸水は新聞紙に包んだりビニール袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に保存します。
南水(なんすい)
長野県で誕生した新しい品種です。
甘みが強いので贈答用としても人気があります。
南水はビニール袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に保存するのがおすすめです。
新高(にいたか)
ひとつずつ丸ごとラップをかけ、ビニール袋に入れてしっかりと口を縛ります。
短い期間なら、ラップだけでも保存が可能です。
いずれも冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
あきづき(秋月)
秋の月のように丸いことが名前の由来のあきづきは、500gほどになる大きめの果実が特徴です。
あきづきなどの梨は、乾燥すると味が落ちてしまいます。
そのため、新聞紙で包んでからビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存するのがおすすめです。
新甘泉(しんかんせん)
新甘泉は、赤梨系で鳥取県のブランド梨です。
大玉で甘いことから人気があります。
常温で保管できますが、保存温度が安定する冷蔵庫で保管するのがおすすめです。
食べる1週間前にはラップを巻いて冷蔵庫で保管しましょう。
にっこり
栃木県生まれのにっこりは、大玉で果汁が多い赤梨です。
ユニークでかわいい名前は、栃木県の観光地「日光」と、梨の「り」という読みが由来とのこと。
乾燥したり気温が高い所は苦手なので、新聞紙などで包みビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保管しましょう。
かおり
神奈川県で生まれた青梨の「かおり」は、良い香りがすることが特徴です。
鮮度が落ちやすいのですぐに食べきるのがおすすめですが、保存する場合は新聞紙に包み冷蔵庫の野菜室や冷暗所で保管しましょう。
生食も美味しいですが、コンポートやジャムに加工するのもおすすめです。
愛宕(あたご)
愛宕は大きなサイズが特徴で、重さが1kgにもなる梨です。
新聞紙などで包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室や冷暗所で保管しましょう。
王秋(おうしゅう)
大玉の赤梨、王秋は柔らかく密な果肉が特徴です。
乾燥しないように新聞紙に包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保管します。
梨の品種別保存期間
さまざまな種類がある梨ですが、品種によって日持ちする日数が違う場合があります。
梨の保存期間について、品種ごとにご説明します。
幸水
幸水は、赤梨の中でも傷むのが早い品種です。
冷蔵庫の野菜室に入れて、1週間程度を目安に保存しましょう。
南水
南水は日持ちすることが特徴です。
冷蔵庫で約3ヶ月保存できます。
新甘泉
新甘泉の保存期間は、ラップを巻いて冷蔵庫の野菜室に入れて約1週間です。
にっこり
にっこりは、貯蔵性に優れていることで知られています。
冷暗所で約1ヶ月、冷蔵庫の野菜室の保存では2ヶ月位は保存が可能です。
かおり
かおりは、あまり日持ちしません。
冷暗所で3日前後、冷蔵庫で1週間前後が保管期間です。
愛宕
愛宕は日持ちがするので、お正月にもよく食べられる梨として知られています。
冷暗所で約1ヶ月持ちますが、暖かい部屋で保管すると傷むこともあるので注意しましょう。
王秋
冷蔵庫の場合は、2~3か月程度保存できます。
梨を切った後の保存方法
食べかけの梨やカットした梨は、ラップで断面をしっかりと包んで冷蔵保存します。
表面が変色していなければ2~3日程度は食べられますが、早めに食べきるようにしましょう。
切った梨はラップでしっかり包み、冷蔵庫の野菜室で冷やします。
切り口の水分は、キッチンペーパーなどで拭き取りましょう。
カットした梨の切り口の変色を防ぐには、水100ccに小さじ1杯の砂糖を溶かした砂糖水に10分ほど漬け込みます。
そのほか、塩水にくぐらせるのも有効です。
梨を美味しく長持ちさせる保存方法
水分が多い梨は、傷みやすいものが多いです。
そのため、常温よりも冷蔵庫で保管するのが良いでしょう。
また、梨は乾燥するとジューシーさが損なわれ、食味が落ちます。
美味しさを保つためには、乾燥しないように工夫することが大切です。
梨は1個ずつラップで包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保管します。
こうすることで、乾燥せずにジューシーさやシャキシャキとした食感を保つことができるでしょう。
しかしながら、デリケートな梨はフレッシュなうちに、できるだけ早めに食べることがおすすめです。
果物農家さんが教える梨の長期保存方法
- 逆さにし、ヘタを下にして保存する
- ビニール袋やラップで包み、袋に入れる
- 冷蔵庫で保管する
梨のように木になる果物は、収穫後ヘタの部分で呼吸します。
そして、果物は冷蔵すると糖度が上がり甘くなります。
したがって、上記のように保存すれば、梨の甘みと食感を保つことができるでしょう。
また、果物農家さんからのアドバイスで「梨を袋に入れる際は、濡れた新聞紙で包むと良い」というものもありました。
梨は、表面からも水分が抜けていきます。
濡らした新聞紙で筒むと、梨の表皮から水分が失われるのを防ぐのに効果的というわけですね。
梨が大量にある時の保存方法や消費方法
早めに食べきることがおすすめの梨ですが、大量にある場合は食べ切れない時もありますよね。
まとめ買いなどをした時も、そのまますぐにすべての梨を食べられないかもしれません。
そのような場合は、冷凍して梨を保存することも可能です。
そのほか、梨の大量消費にはコンポートやジャムなどに加工して、保存食にするのも良いでしょう。
梨を冷凍保存するには
梨の冷凍保存の仕方をご紹介します。
冷凍した梨を食べる時は、半解凍でシャーベットのようにしても美味しいですよ。
ミキサーにかけたものを冷凍しておけば、ピューレのようになり、料理に使う時も便利です。
- 切る前に梨をよく洗い、皮や芯、種を取り除き水気を拭く
- 8等分ほどにカットする
- 冷凍用保存袋に並べて冷凍する
まとめ
梨の保存は、ひとつずつ袋に入れて冷蔵庫で保管するのがおすすめでした。
乾燥や高温に弱いので、梨は新聞紙やアルミホイルなどに包んでから袋に入れて冷蔵保存すると良いでしょう。
梨には数多くの種類がありますので、品種ごとの保存期間も考慮して保管すると食べ頃を逃しません。
あまり流通しない幻の青梨、秀玉(しゅうぎょく)などを探して味わってみるのも良いですね。