美味しい果物を、愛猫と一緒に楽しみたいという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、そもそも猫に果物を与えて大丈夫なのでしょうか?
この記事では、猫に与えても良い果物や、食べてはいけない果物、気をつけるべき注意点などについてご紹介します。
猫に果物は大丈夫なのか?
猫も人と同様に、食べ物の好き好きがさまざまです。
中には果物が好物で、喜んで食べるという猫もいるかもしれません。
飼い主さんとしては、美味しい果物を愛猫と楽しめるのは嬉しいことです。
けれども、猫に果物は大丈夫なのか、心配になる方もいらっしゃるでしょう。
そもそも、猫にとって果物は必要なものなのでしょうか。
結論から述べますと、猫に果物は必須ではありません。
猫は、肉食動物です。
飼い猫の基本的な食事は、総合栄養食であるキャットフードが推奨されます。
つまり、猫は果物を食べることができますが、猫にとっては食べても食べなくてもいい食材ということです。
基本の食事としてではなく、おやつとして少量を与えるようにすると良いでしょう。
「少量」の目安は、小指の先ほどの大きさです。
ほんの少しで良いということですね。
猫に与えていい果物
では、どのような果物なら猫に与えてもいいのでしょうか。
ここでは、猫に与えていい果物と、期待される効果や与え方をご紹介します。
なお、果物に期待される効果があるからと言って、無理に愛猫に食べさせる必要はありません。
いちご
食物繊維により、腸を整える働きが期待できます。
猫にとって悪影響のあるキシリトールが含まれますが、少量ならば問題ありません。
ヘタを取り、小さくカットしてから与えましょう。
柿
マグネシウムやカリウム、アルギニンの働きより、利尿作用が高まります。
ヘタ、皮、種を取り除き、果肉のみを食べさせましょう。
柿には甘柿と渋柿がありますが、生の渋柿は猫に与えないでください。
クランベリー
クランベリーには、プロアントシアニンというポリフェノールが含まれます。
この成分の働きは、活性酸素を抑制する高い抗酸化作用です。
その働きにより、猫の尿石症を引き起こす尿路感染症の予防に役立つと言われています。
猫は尿路感染症にかかりやすいので、積極的にクランベリーを与えたくなるかもしれませんね。
けれども、ペットの1日の餌の摂取量の1割を超えて、おやつに当たる果物を与えてはいけないとされています。
スイカ
9割が水分のスイカは、夏場などの水分補給に向いている果物です。
夏バテなどで猫があまり食べない時や、水の飲み方が少ない時などにもおすすめです。
種と皮をすべて取り除いてから与えましょう。
梨
和梨、洋梨とも与えてよく、水分補給になる果物です。
食物繊維も豊富なので、便秘解消にも良いでしょう。
しかし、与えすぎは下痢を引き起こすことがあります。
皮をむき、細かくカットしてから与えましょう。
バナナ
栄養と食物繊維が豊富なバナナは便秘の改善に効果的です。
カロリーが高いため、肥満などの原因になりやすいので、与える量に注意しましょう。
皮は消化に悪いので取り外し、果肉のみを少量与えます。
メロン
スイカ同様、水分を多く含む果物です。
夏場の水分補給に適しています。
ビタミンや葉酸、ナイアシンなど多くの栄養を含んでいますが、カリウムの量も多いです。
そのため、心臓や腎臓の弱い猫には、与えるのを控えたほうがいいでしょう。
桃
水分やビタミン、カリウムやカテキンが豊富で便秘に効果的です。
消化のいい桃ですが、与える時は種を取り、小さくカットしてからあげましょう。
りんご
ペクチンの働きで、腸を整える効果が期待できます。
ただし、与えすぎると下痢を引き起こす場合もありますので注意しましょう。
猫は丸呑みしがちなので、与える時は薄く小さく切るか、すりおろすのがおすすめです。
猫に与えてもいいが注意が必要な果物
食べられる果物であっても、猫にあげる時は注意が必要なものもあります。
体質などによっては、症状が出る場合もあるかもしれません。
与える時は状態を見ながらにし、普段と違う様子を見せた時は与えるのをやめましょう。
パイナップル
パイナップルには、舌のヒリヒリ感の原因になるタンパク質分解酵素があります。
この酵素により、猫も舌や口腔内に影響がある場合があります。
食べた後、口元をしきりに気にするなどしていたら、与えるのはやめたほうが良いでしょう。
さくらんぼ
食物繊維が豊富ですが、与えすぎは下痢を引き起こします。
与える場合は必ず種を取り除き、半粒ほどのごく少量にしましょう。
猫に絶対に与えてはいけない果物
猫に絶対に与えてはいけない果物もあります。
以下にご説明する果物は、たとえ猫が欲しがっても、あげてはいけません。
また、誤って食べることがないように、愛猫の近くに置かないようにしましょう。
いちじく
いちじくには、フィシンやフロクマリンという成分が含まれています。
これは、猫に中毒症状を起こす可能性がある成分です。
果肉を食べることはもちろん、皮や葉に触れるだけでも猫にとっては危険と言えます。
いちじくは、猫が触れる場所には置かないようにしましょう。
ぶどう
ぶどうを猫が食べると、中毒症状を起こします。
それにより急性腎不全を引き起こし、中には重篤な中毒症状を起こす猫もいますので、注意が必要です。
特に、皮は果肉よりも猫にとって毒性が強いとされます。
レーズンや、ぶどうジュースなどの加工食品も、猫に与えてはいけません。
これらの食品は人間の身近にありますので、目を離した隙に猫が食べてしまうことがないようにしましょう。
パパイヤ
パパイヤには、パパインという酵素物質が含まれています。
この成分がアレルギー反応を引き起こし、猫の口や唇に炎症を起こす場合があります。
症状が重い時は、呼吸困難を起こす危険性がありますので食べさせないようにしましょう。
マンゴー
ウルシ科の植物のマンゴーは、猫にかぶれなどのアレルギー症状が現れることがあります。
食べると口腔内のかゆみや炎症、嘔吐や下痢、呼吸困難などを引き起こす場合がありますので、猫に与えてはいけません。
グレープフルーツ・みかん・柚・レモン
グレープフルーツやみかん、柚やレモンなどの柑橘類は、猫に与えてはいけません。
これらの柑橘類の皮には、リモネンやソラレンという成分が含まれています。
人間にとって爽やかに感じる成分なのですが、一般的に猫は嫌いな匂いです。
そのため、匂いをかいだだけで近づかない猫も多いでしょう。
しかし、誤って食べてしまってリモネンやソラレンを猫が摂取した場合、嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こすことがあります。
重篤なケースでは命に関わる危険性もあるため、柑橘類の皮も果肉も猫に与えるのは良くありません。
猫に果物を与える時はアレルギーに注意
どのような食材でも、アレルギー反応を引き起こすことがあります。
問題がないとされる果物でも、最初に猫に与える時は極めて少量を様子を見ながらあげてください。
もしも、食べてはいけない果物を誤って食べてしまったり、種などを誤飲した場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
すぐに受診できない時は、速やかに動物病院に電話をしてアドバイスをもらうようにしてください。
インターネットには、獣医師など専門家に24時間オンラインで相談できるサイトなどもあります。
そうしたサイトなどに登録しておくと、いざという時も安心でしょう。
まとめ
果物は、猫にとって食べてもいいものと食べてはいけないものがありました。
繰り返しますが、果物は猫にとって必須の栄養素ではありません。
食べるとしてもくれぐれも適量を順守し、アレルギーや肥満に注意しながら、おやつとして与える程度にとどめましょう。