一般的な柿は果皮・果実共にきれいなオレンジ色をしていますが、果皮や果実が黒い柿があるのをご存知でしょうか。
どちらも大変希少であまり市場に出回らないのですが、では、それはどのような品種でどのような特徴がある柿なのでしょうか。
そこで今回は、黒い柿の品種について詳しくご紹介します。
気になる方はぜひチェックしてみてください。
黒い柿の品種「黒実柿」
黒い柿「黒実柿(くろみがき)」は、果皮がツヤのある黒色をした品種の柿。
まとまった生産をしてるところがあるというよりは各地で作られている程度なので、市場に出回ることはほぼなく、10月〜11月頃に道の駅などで見かける程度で、スーパーなどでも流通することがない希少な品種です。
「黒実柿」は「黒柿(くろがき)」とも言いますが、柿の品種ではない高級木材の「黒柿」もあり間違えることも多いです。
木材の黒柿は「柿の木」のひとつで、通常の柿の木は乳白色または淡黄色に近い色味をしていますが、黒柿は中心部分に黒い紋様が現れるのが特徴。
なぜ黒い紋様ができるのかは解明されておらず、1万本の柿の木に1本という確率で偶然見つかるほど希少なこと、また、見た目も通常の柿の木と区別がつかず、むやみに柿の木を伐採することもないため入手困難なことから、「神秘の銘木」と言われるほど非常に貴重な木材として取引されています。
黒い柿の品種「黒実柿」の特徴
黒い柿の品種「黒実柿」の特徴は、
- 果皮がツヤがある黒色
- 果実の大きさが100g前後と小粒
- 果頂部がトマトのように尖っている
- 糖度16度と甘味が強い
果皮は黒色ですが、中身は一般的な柿と同じオレンジ色をしています。
中には渋みが強いものもあるので、完全に熟してから食べるか、ヘタの部分とまわりの葉を切り取って穴を開け、焼酎を染み込ませるという渋抜きの方法を行ってから食べることもできます。
和歌山県の黒い柿「紀の川柿」
「黒実柿」は果皮が黒く果実はオレンジ色の珍しい柿ですが、その真逆で、果皮はオレンジ色で中身が黒い柿もあります。
それが「紀の川柿」です。
「紀の川柿」は、和歌山県の紀の川市やつらぎ町などの一部の地域でのみ栽培されている柿で、中身は黒ごまや黒砂糖をまぶしたような、切ると思わずびっくりしてしまうくらいのビジュアル。
「黒あま」と呼ばれるほど糖度16〜18度と甘味が強く、厳選した極上品のみ「黒あま」の名前で販売するほど。
そのため流通量が少なく、入手困難な希少性の高い柿です。
黒い柿「紀の川柿」の中身が黒い理由
では、なぜ中身が黒い柿ができるのか。
その理由は、「特別な栽培方法」にあります。
樹上で柿の渋を抜く特別な栽培方法で、9月上旬の暑い時期、まだ樹になっている状態の実に固形アルコールの入った袋をひとつひとつ手作業で丁寧に被せ、その2日後に袋の底を破って渋抜きをします。
そうすることで渋み成分の「タンニン」が黒色化し、中身が黒い柿が出来上がるのです。
こように、手間をかけて丁寧に育てることで、より甘味が強い深いコクのある黒い柿「紀の川柿」になるのです。
黒い柿の品種「黒実柿」「紀の川柿」の購入方法
最後に黒い柿の品種「黒実柿」と「紀の川柿」の購入方法についてご紹介します。
まず「黒実柿」ですが、先程もご紹介したように一般市場ではあまり出回ることがなく、まとまった数量を生産している地域もないことから、まれに道の駅や直売所などで見かける程度です。
そのため、ホームセンターやネット通販ショップなどで黒実柿の苗を購入し、育てて収穫する方が多いようです。
次に「紀の川柿」ですが、紀の川柿は和歌山県で栽培されているため、和歌山県の直売所で購入することができます。
紀の川柿の旬の時期は10月下旬〜11月下旬。
ネット通販ショップでも購入できますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
まとめ
今回は、珍しい黒い柿の品種についてご紹介しました。
どちらも一般的な柿とは異なる、とても希少な品種です。
特に「紀の川柿」は贈答用としても大変人気がありますので、大切な方への贈り物として選ばれてみてはいかがでしょうか。