柿にはたくさんの品種があり、干し柿にして食べる品種と、生のまま食べる品種があります。
中身がとろっとしていて甘く、美味しい干し柿ですが、干し柿を作る時には、どのような品種を選べばいいのでしょうか。
そこで今回は、干し柿の品種の選び方やおすすめの品種などについてご紹介します。
また、干し柿の手作りレシピや保存方法についてもご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
干し柿にするならどの品種を選べばいい?
酸味がなく甘くて美味しい柿は、生のままで食べたり、干し柿にして食べたりと、食べ方に違いがある果物です。
また、柿にはたくさんの種類があり、大きく分けると生食に向く甘柿と、干し柿に向く渋柿があります。
甘柿は、口に入れたときに渋みを感じず甘みを感じ美味しく食べることができます。
品種にもよりますが、四角い形をしていることが多いです。
一方、渋柿は水に溶けるタンニンを含むため、口に入れると渋みを感じ、そのままでは美味しく食べられません。
品種にもよりますが、丸く細長い形で先がとがっていることが多いです。
そのため、干し柿を作る場合は、渋柿を選ぶのがおすすめです。
干し柿におすすめの品種
干し柿を作る場合は、渋柿がおすすめなことを紹介しましたが、一口に渋柿と言ってもたくさんの種類があります。
おすすめの品種を3つご紹介します。
市田柿
市田柿は、500年以上前から栽培されていたと言われる渋柿で、干し柿として有名な品種です。
果実は100gほどと小さく、やや縦長でハートのような形をしています。
果皮は橙色で、種が少ないのが特徴です。
収穫時期は10月下旬から11月中旬頃です。
西条柿
西条柿は、800年も昔からあったと言われる品種で、発祥の地は広島県とされています。
果実は100gから150gほどとやや小さめで、丸みのある縦長の形をしています。
果皮は橙色よりも黄色に近い色をしていて、側面に4つの溝があるのが特徴です。
収穫時期は10月上旬から11月中旬頃です。
甲州百目
甲州百目は、渋柿の中でも不完全渋柿と呼ばれる種類で、種が入り種の周りだけ渋みが抜ける柿です。
果実は300gから400gほどと大きく、釣鐘のような形をしています。
果皮は赤っぽい橙色をしていて、ほどよく柔らかいです。
収穫時期は10月から11月頃です。
どの品種も干し柿にすると甘くなる?
干し柿を作るときは渋柿を使うのがおすすめですが、渋柿がなぜ甘い美味しい干し柿になるのか不思議ですよね。
先ほども少しお話しましたが、渋柿には渋みを感じる水溶性のタンニンが含まれています。
口に入れると、このタンニンが溶け出し渋みを感じ、美味しく食べることができなくなります。
しかし、柿を干すことで水溶性のタンニンが不溶性のタンニンに変わります。
不溶性のタンニンに変化することによって、口に入れてもタンニンが溶け出さず渋みを感じなくなるのです。
また、干すことによって水分が抜けます。
水分が抜けることによって糖度が高くなり、干し柿は甘くなるのです。
干し柿の周りに、白い粉がついているのを見たことはないでしょうか。
この白い粉は、糖分が結晶化したものです。
したがって、たくさんついているものはより甘いため、干し柿を選ぶときは、参考にしてみてください。
その他に、干し柿はなぜ腐らないのか、不思議に思ったことはありませんか?
こちらも、柿の水分が抜けて糖度が高くなることが理由です。
水分が少ないことによって雑菌が繁殖しにくくなり、糖度が高いことによって腐りにくくなります。
干し柿の手作りレシピ
甘くておいしい干し柿を、手作りしてみませんか?
ここでは、干し柿の作り方をご紹介します。
用意するものは、渋柿と紐です。
<作り方>
- 紐が結びやすいように柿のヘタの残しつつ、皮を剥きます。
- 60cmから70cmほどの紐を用意します。
2個で1本使います。 - 紐の両端に、柿のヘタを結びます。
- 鍋にお湯を沸かして沸騰したら、柿を5秒ほどつけます。
- 軒下などの日当たりがよく、風通しもよい場所に吊るして干します。
このとき、柿同士がくっつかないように気をつけましょう。 - 1週間ほど干し、皮が硬くなったら指で押すようにして揉みます。
- さらに、1週間ほどしたら中心まで揉みます。
- 柿の種類など条件にもよりますが、2週間から3週間ほどで完成です。
ヘタなしの柿を使う場合は、「干し柿用クリップ」が販売されていますので、こうした道具を使って柿を吊るしましょう。
渋柿を干すと周りが乾燥し、皮が硬くなります。
見た目は干し柿のような見た目になっていても、中がまだ渋いということがあります。
そのため、干した後は必ず手で揉むことが大切です。
また、干し柿を作る時期は、11月から3月頃が適していると言われています。
渋柿の旬の時期ですし、この時期は乾燥しやすく雨も少ないので作りやすいです。
干し柿の保存方法
最後に、干し柿の保存方法についてご紹介します。
風通しのよい涼しい日陰
よく干して作った干し柿は、常温で保存できます。
キッチンペーパーなどで包んで、風通しのよい涼しい日陰で保存しましょう。
保存期間は、3日ほどです。
どんどん乾燥してしまうので、早めに食べましょう。
冷蔵庫
長期保温したい場合や、中がまだトロっとしている状態の干し柿は、冷蔵保存しましょう。
1つずつラップなどでくるみ、密閉できる袋に入れて冷蔵庫に入れましょう。
1カ月ほど、保管することができます。
冷凍保存
さらに長期保存したい場合は、冷凍保存もできます。
冷蔵庫で保管するように柿を包み、冷凍庫にいれましょう。
3カ月ほど保管することができます。
しかし、これらの保存期間は目安であり、きちんと保存できている場合です。
状況が悪いと、せっかくの干し柿が腐ってしまうこともあります。
早めに食べきることがおすすめです。
まとめ
この記事では、干し柿を作るときの品種の選び方をご紹介しました。
柿には渋柿と甘柿があり、干し柿を作る場合は渋柿を使うのがおすすめです。
渋柿にもいろいろな品種があり、おすすめの品種をご紹介しました。
作り方や保存方法もご紹介しましたので、ぜひ参考にして美味しい干し柿を作りましょう。