日頃、特に意識せず果物として食べているスイカですが、実は野菜だと聞いたことがある方は多いと思います。
そんなスイカは、本当のところは野菜なのか果物なのか、どっちなのでしょう？
そこでこの記事では、スイカは野菜か果物かのどっちなのかについてや、農林水産省の定義についてご紹介します。
またスイカが野菜だと分類される理由や、スイカの仲間、野菜ではなく実は果物であるものについてもお伝えしているので、ぜひ参考にしてください。
スイカは野菜か果物か、どっち？
夏の風物詩でもあるスイカは、デザートとして食べることが多いため、果物だと思っている方も多いかもしれませんが、野菜だと聞いたことがあるという方もいらっしゃるでしょう。
スイカは野菜か果物のどっちなのかという結論を出す前に、まずは野菜と果物の定義を調べてみましょう。
植物学上の、野菜と果物の区分は以下になります。
- 野菜＝草になるもの（草本性のもの）
- 果物＝木になるもの（木本性のもの）
スイカは種から発芽してからツルが伸びて実がなる草本性の植物のため、植物学上は野菜に分類されます。
りんごやみかん、梨、桃、柿などは木になるので、果物に該当します。
スイカは野菜か果物か農林水産省の定義について
では、農林水産省の定義ではどっちになっているのでしょう。
農林水産省の定義では、
- 苗を植えて1年で収穫する草本植物＝野菜
- 2年以上を目安に栽培する草本植物および木本植物で、果実を食用とするもの＝果樹
とされています。
農水省の野菜の判断基準には、さらに
- 田畑で栽培されるもの
- 副食物である
- 加工を前提としないもの
というものもあります。
野菜は主に葉や根、果実などを副食として食べる一年生植物や多年生植物のことを指すため、農林水産省の定義でも、スイカは一年生の草本植物にあたり、栽培方法や性質、形態が野菜と同じであるため野菜に分類されます。
従って、スイカが野菜か果物、どっちなのかというと、農林水産省の定義では野菜として取り扱われています。
ただし、野菜の生産や出荷の統計においては「果実的野菜」、食料需給表においては「野菜」に分類されるなど、分類上は少し複雑な印象を受けます。
この果実的野菜とは野菜に分類されるもののうち、一般的には果物と認識されているもののことを指します。
なぜスイカは果物ではなく野菜なのか
「果実的野菜」でもあるスイカですが、やはり分類上は野菜です。
スイカが野菜に区分される具体的な理由は、スイカが木から収穫できる果実ではない点、また田畑で栽培される一年草の作物という点、加工の必要がなくそのままおいしく食べることができるという点も野菜たる所以です。
ただし、主食と一緒に食べる副食物（おかずである）という点に関しては、一般的にスイカはおかずとして食べる機会はほとんどなく、やはりデザートとして食べるため、「果実的」という言葉がプラスされているのかもしれませんね。
野菜であり果物でもあるスイカの仲間
農産物としては野菜に分類されるスイカですが、スイカは野菜であり果物でもある、果実的野菜であることはお伝えしました。
英語では「Watermelon」（ウォーターメロン）と呼ばれるスイカですが、メロンもスイカと同じく「果実的野菜」として扱われています。
また甘酸っぱくておいしいイチゴも木ではなく、ツルから実ができるため果実的野菜に該当します。
さらにパイナップル、バナナ、ドラゴンフルーツなども植物学上は野菜です。
バナナは木になっているというイメージがありますが、実はたくさんの葉が幹のように見えるだけで木ではありません。
サボテンの実であるドラゴンフルーツも、サボテンが木ではなく草に分類されるため果実的野菜となります。
スイカとは逆に野菜ではなく、実は果物のもの
スイカとは逆に野菜だと思っていたけど、実は果物だったというものもあります。
その代表格といえば、アボカドではないでしょうか。
青々としたアボカドには、甘みがないだけでなく、カットしてそのままわさびしょうゆで食べたり、サラダの具材として使うことが多いため、また高い栄養価からも野菜というイメージが強いですが、アボカドは木に実るので実際は果物に分類されます。
このほか、青パパイヤや、すだち、ゆず、カボスなども木になるので果物に該当します。
これらの、一般的には野菜として食べられているけれど木になる果物は、スイカとは反対の「野菜的果実」と言われます。
まとめ
この記事では、スイカが野菜か果物のどっちなのかについてご紹介してきました。
みずみずしくて甘いスイカはデザートとして食べるのが一般的ですが、分類上は野菜。
その分類についてもお分かりいただけたかと思います。
とはいえ、スイカは実際には果物のように扱われる果実的野菜です。
スイカは赤い部分を食べ終わった後、硬い皮の内側の白い部分をぬか漬けにしたり、薄く刻んで酢の物や浅漬けにして楽しむこともできます。
こうした食べ方をすると野菜らしさを感じられるかもしれませんので、一度試してみてはいかがでしょう。
