中国の珍しい果物6選

最終更新日:2022/07/23

果物 珍しい 中国

世界には、見たこともない食べ物がたくさんあります。鮮やかな色とジューシーな味わいで私たちを魅了する果物にも、珍しいものが数多く存在します。
この記事では、あまり知られていない中国の珍しい果物についてご紹介します。広大な土地を持つ中国には、どのような珍しい果物があるのでしょうか。

中国の珍しい果物について

流通の発達により、日本のスーパーでもさまざまな果物が輸入されていますが、世界にはまだ見たこともない果物があります。
なかでも中国は、日本の国土の約25倍もの広大な面積を持つ国です。
スケールの大きな中国には、まだあまり知られていない珍しい果物がたくさんあるようです。
また、中国の果物は中国国内での消費が多く、輸出入の割合は少ないと言われています。
中国の珍しい果物を6種類選んで、その見た目の特徴や味、食べ方などを調べてみました。

ハミウリ

中国のウイグル自治区が原産のウリ科の果物です。
清の時代の中国皇帝の御用達のメロンで、「幻のメロン」「シルクメロン」とも呼ばれています。
ラグビーボールのような形をしており、黄色や黄緑色をしています。オレンジ色の果肉の味は甘くなめらかで、栄養価も高いです。
漢字では「哈密瓜」と書き、ウイグル自治区の哈密(ハミ)市で栽培されるメロンです。

リュウガン

「龍眼」と書いて日本語で「リュウガン」と読みますが、中国での読み方は「ロンガン」です。大きさ2cmほどの丸い果実で、皮は茶褐色です。
皮を取ると乳白色半透の果実が現れ、その中に黒い種があります。
それが龍の眼のように見えることから「龍眼」と呼ばれるようになりました。

プリプリした歯ごたえで、ライチを淡白にしたようなほんのり甘い味がします。
生で食べることができますが、乾燥したものや缶詰もあります。
疲労回復や免疫強化の漢方薬としても重宝され、健康にも良いようです。

親指スイカ

中国の江蘇省で収穫された、親指ほどの大きさしかない超小型スイカです。
見た目は青いミニトマトに近いですが、外皮にはスイカ特有の縞模様が入っています。
皮までまるごと食べることができ、味はライムのような爽やかな甘酸っぱさがあるそうです。

ナンバンカラスウリ

中国の南部地域の原産で、生薬名はモクベツシ(木鼈子)です。
ベトナム原産とも言われ、ベトナム語の名称からガックフルーツとも呼ばれています。
和名ではナンバンカラスウリですが、英語ではレッドメロン(red melon)と呼ばれ、さまざまな呼び名があります。
長さ13cm、直径10cmほどの球形で両手に乗るくらいの大きさになり、熟すと暗い橙色になります。
短い棘がありますが、素手で持つことが可能です。
ナンバンカラスウリは大変素晴らしい特質があり、天国からの果物(Fruit from Heaven)とも呼ばれているそう。

ナンバンカラスウリが「天国からの果物」と呼ばれている理由

なぜナンバンカラスウリは、天国からの果物と呼ばれているのでしょうか。
その理由は、この果物の持つ驚きべき栄養が理由です。
ナンバンカラスウリには、以下のような豊富な栄養が含まれています。
抗酸化作用や免疫力アップ、目の健康を保つのに大変有効なフルーツなので、古来から薬として用いられてきた歴史があるそうです。

  • リコピンはトマトの70倍以上
  • ビタミンCはオレンジの40倍以上
  • ベータカロテンはニンジンの10倍以上
  • ゼアキサンチン(目の網膜に含まれるカロテノイドの一種)はとうもろこしの30倍以上
  • 仮種皮に含まれる油脂には、高濃度のビタミンEが含まれている

ナツメ

棗(ナツメ)は、中国原産の落葉の小高木で、スーパーフードのひとつです。
実を乾燥させたものにも薬効があり、中国では「紅棗」(ホンザオ)あるいは「大棗」(ダーザオ)と言われています。
実は赤い色をしていて、そのまま食べても甘くて美味しいです。

ナツメという和名は、夏になってから芽が出ることに由来します。
漢名である中国の植物名では、「ソウ」と読みます。
中国には「1日3個の棗を食べれていれば老けない」という言葉があり、特に女性に良いとされているそうです。
鉄分やビタミン類、カルシウムなど多くの栄養が含まれ、健康効果や美容効果が大変高いと言われています。

サンザシ

中国の中南部の原産で、中国では「山楂」と書きます。和名ではサンザシやサモモと呼ばれます。
さくらんぼのような見た目で、赤い実がたくさんなるのが特徴です。
濃い甘みと優しい酸味があり、爽やかです。
お酒やドライフルーツ、漢方などにも用いられます。
北京ではこの実を串刺しにして飴をかけた「糖葫芦」がストリートフードとして人気なようです。

「茘枝」の読み方について

中国南部が原産の「茘枝」は、中国語での読み方に由来してライチと読みます。
パソコンではライチで変換できず、「レイシ」と打つと変換できるので、レイシと読む場合もありますが、問題ありません。

鮮やかな赤い皮に覆われているライチですが、そのうろこのような皮を取ると半透明の乳白色の果肉が出てきます。
食感はゼリーのようです。

ライチには独特の芳香と上品な甘みがあり、楊貴妃が愛した果物として有名です。
玄宗皇帝が楊貴妃のために、産地からライチを宮廷まで運ばせたことはよく知られています。
なんとライチは紀元前から栽培されていたそうですよ。

本場の茘枝の食べ方

原産地では、酸味のあるライチを味わうそうです。
ライチは熟す前に収穫して食べ、酸味を味わうのが美味しいそうですよ。
中国ではライチの風味は落ちやすく、枝から離して3日目には色も香りも尽きてしまうと言われています。

美味しい茘枝の見分け方

美味しいライチを見分けるポイントをご紹介します。
ライチは中国だけでも200を超える種類があり、中にはグリーンライチと呼ばれる黄緑色や緑色のライチもあります。
「妃子笑」(ひししょう)や「玉荷包」(ぎょっかほう)という品種は、果皮が緑色や黄緑色でも甘いです。

  • 果皮にハリがあり、みずみずしいもの
  • シワや傷がないもの
  • 果皮がきれいなピンク色か赤色のもの
  • うろこ状の果皮の突起が尖っている
  • 持った時に重みがあるもの

中国の果物の名前が使われていることわざ

中国の文献などから用いられ、日本でことわざとして使われる文章も多いですよね。
ここでは中国の果物の名前が入ったことわざをいくつかご紹介します。

瓜田に履を収れず、李下に冠を正さず(かでんにくつをいれず、りかにかんむりをたださず)

古い漢詩の一文です。
「瓜の畑で靴を直すと瓜を盗んだと疑われる。また、李(すもも)の木の下で冠をかぶり直すと、すももを盗んだと疑われる」ということから、疑われるような行動は避けなさいという意味です。

桃李門に満つ(とうりもんにみつ)

中国人にとって桃は、邪気を払い不老長寿をもたらす特別な果実で、優れたものという意味もあります。
このことわざは味の良い桃やすももが門に満ち溢れるという意味で、出来の良い優れた人材が一門に多く集まっているということを指します。
「桃李満門」(とうりまんもん)という四字熟語でも知られますね。

桃李の装い(とうりのよそおい)

桃やすももの花のような美しい装いやあでやかな容姿を意味します。
美しい姿を、桃やすももになぞらえることわざです。

通販で手軽に入手できる珍しい果物

ここまでは中国の珍しい果物をご紹介してきましたが、中国産に限らずレアな果物を味わってみたくなった方もいらっしゃるかもしれません。
通販で手軽に入手できる、なかなか見かけない珍しい果物をご紹介します。
次にご紹介する果物は、amazonや楽天市場などの通販で購入できます。

  • フィンガーライム…キャビアや海ぶどうのようなライム
  • トゥナ…爽やかな甘さがあるサボテンの実
  • ランブータン…中身はライチと似ている
  • フェイジョア…ガムのような甘みがある
  • マンゴスチン…世界3大美果のひとつで上品で繊細な甘みが特徴
  • パラミツ…栄養豊富な巨大なスーパーフルーツ
  • キワノ…中身は緑色のゼリー状で、オレンジ色のトゲがユニークで観賞用としてもおすすめ

国産の珍しい果物

日本でも栽培されている、国産の珍しい果物をご紹介します。
スーパーなどで見かけることもあるかもしれません。

  • スターフルーツ…断面が星型で、和名は五歛子(ごれんし)。日本では沖縄や宮崎で栽培している
  • ドリアン…東南アジアや沖縄で栽培されている、強烈な臭いを持つ「果実の王」
  • ドラゴンフルーツ(ピタヤ)…サボテンの果実で、沖縄が日本で最も多く生産している
  • アテモヤ(釈迦頭)…森のアイスクリームと言われ、日本では三重県や沖縄県で栽培されている
  • レンプ(ローズアップル)…梨のような食感で甘酸っぱく、日本では沖縄で栽培されている
  • カニステル…エッグフルーツとも言われ黄色い卵のような見た目で、日本では沖縄で栽培されている

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