異なる品種を二本以上近くに植えて受粉させる必要がある「さくらんぼ」。育てるのが難しい果物というイメージをお持ちの方が多いと思いますが、実は一本でも結実する品種もあります。そこでこの記事では、一本で結実するさくらんぼの品種や、それぞれの結実年数についてお伝えします。比較的簡単に実をつけることができる品種もあるので、ぜひ参考にしてください。
さくらんぼには一本で結実する品種もある
甘くておいしいさくらんぼを、おうちで育てることができたらと考える方もいらっしゃるでしょう。
実はさくらんぼの多くは、一本の木や、ひとつの品種だけでは実がなりません。
これを「自家不結実性」と呼びます。
さくらんぼは同じ品種同士では受粉しません。
そのため、さくらんぼを植える際には、異なる品種を2本以上近くに植えて受粉させる必要があります。
しかし、中には一本でも実のなるさくらんぼもあります。
これを、自身の花粉で受粉して実をつける「自家結実性」と言います。
家庭園用なら、受粉の手間がかからず、場所もあまり取らない、一本で結実する品種がおすすめです。
では、一本で結実する品種にはどのようなものがあるのか、以下でご紹介していきます。
一本で結実するさくらんぼの品種「暖地桜桃」
バラ科サクラ属の落葉果樹で、桜桃(オウトウ)とも呼ばれるさくらんぼ。
「暖地桜桃」は、一本で結実するさくらんぼの代表的な品種です。
中国原産のさくらんぼ「中国桜桃」の一種で、「暖地桜桃」や「暖地さくらんぼ」の名前で販売されている場合もあります。
果樹の中でも、栽培が難しいと言われるさくらんぼ。
この暖地桜桃なら比較的育てやすく、桜より早い3月頃に花を咲かせます。
自家結実性のため、咲いた花の9割くらいが結実する品種です。
耐病性が強く、受粉の必要がない暖地桜桃。
あまり手間をかけずに毎年きちんと実をつけてくれるのが魅力。
庭はもちろん、鉢植えなどにしてベランダでも栽培できる品種です。
実が小さめですが、その分たくさんの実をつけてくれますし、完熟すれば甘みが増します。
しかし、酸味がやや強めなので、ジャムや果実酒、シロップ漬けなどでいただくのも良いでしょう。
「紅きらり」も一本で結実するさくらんぼの品種
「紅きらり」は、レーニアとコンパクトステラの交雑により誕生した新品種です。
自家結実性が強く、一本でも結実するさくらんぼで、甘くておいしいと話題です。
糖度は約19度程度と高いのに、サッパリとした味わいで、口の中にたっぷりの果汁が広がります。
果肉は適度な硬さがあり、皮の色もきれいな赤色です。
開花時期は4月ごろで、収穫時期は6月中旬から下旬ごろ。
甘くてジューシーなさくらんぼを育てたい方におすすめです。
一本でも実がなるさくらんぼの品種「さおり」
さくらんぼの中でも、ひときわ大きな500円玉サイズの大きさを楽しめるのは「さおり」です。
高級さくらんぼのひとつでもあり、市場でも高値で取引されています。
サイズが大きいだけでなく、真っ赤に色づく果実は糖度も高いのが特徴。
甘味が強く、果汁も豊富なので、味わいにこだわりたい方におすすめです。
ただし、栽培に関しては、これまで紹介した暖地桜桃や紅きらりよりはやや難しい品種です。
開花時期は4月上旬ごろで、収穫時期は6月中旬ごろ。
簡単ではありませんが、一生懸命大切に育てたさくらんぼの味わいはきっと格別です。
さくらんぼの結実年数
さくらんぼは、基本育てるのが難しい部類に入る果物です。
ここで紹介した品種は、一本で結実する品種のため、受粉などの手間は必要ありません。
とはいえ、結実までは多少時間を要します。
今回紹介したそれぞれの結実年数は
- 暖地桜桃:3~5年
- 紅きらり:4~5年
- さおり:4~5年
となっています。
育て方や注意点は、品種により異なります。
しかし、もっとも育てやすいのは最初に紹介した暖地桜桃です。
初めてさくらんぼを育てるなら、それぞれの特徴を理解して、自分に合った品種を選ぶようにしましょう。
まとめ
この記事では、一本で結実するさくらんぼの品種についてご紹介してきました。
育てるのが難易度がやや高めと言われるさくらのんぼですが、一本で結実する品種なら、受粉させたり、品種の相性を気にする必要がありません。
とはいえ、植えただけで育つものではありませんし、実際に実をつけるまでは数年かかります。
しかし、自分で育てたさくらんぼの味わいは感動モノだと思います。
また、もぎたての完熟したさくらんぼは、市販されている早取りのものとは比べ物にならないほどおいしいと言われています。
ぜひこの記事を参考に、自分の手でさくらんぼを育ててみてはいかがでしょう。