【お供えの果物】選び方やかごの盛り方、法事でのポイント

最終更新日:2024/01/29

【お供えの果物】選び方やかごの盛り方、法事でのポイント

葬儀や法事、お墓参りの際のお供え物の定番である果物は、どんなものを選んだら良いのでしょう?
ルールやマナーはあるのでしょうか。
そこでこの記事では、お供え物としておすすめの果物と選び方をはじめ、お供えの果物のかごを使った盛り方、四十九日や納骨式、一周忌、初盆、お彼岸などの法事に果物をお供えするときのポイントについて詳しくご紹介します。
またお墓や神棚、仏壇、お寺に果物をお供えするときの置き方についてや、お供えの果物の相場とどこで買えるのかについてもお伝えしているので、ぜひ参考にしてください。

お供え物としておすすめの果物と選び方

お供え物いえば花と並んで、果物やお菓子が親族やご近所の方たちに配ることができる実用的なお供え物として人気です。
しかし、お供え物の果物は何が良いのかわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
お供え物とは、そもそも故人を偲び供養するためのもののため、果物は故人が好きだったものを選ぶと良いでしょう。
常温でも日持ちするものであることはもちろん、形が丸い果物は「円い(まるい)」とも表され、「円=縁」という理由から、縁起が良いとされているため「丸い」果物もおすすめです。

リンゴやミカンなどをはじめ、バナナやキウイフルーツ、グレープフルーツなど、通年で手に入りやすいものが一般的です。
夏にはメロンや桃、小玉スイカ、秋にはブドウや柿、梨など旬を意識して選ぶのも良いでしょう。

葬儀、葬式などでは、フルーツのセットをはじめ、飲み物や線香、ロウソクなどをかごに収め、かごの周りを造花で飾った華やかな台付きの「盛籠」が祭壇の近くに置かれることもあります。

お供え用の果物のかごを使った盛り方

お供えの果物の盛籠はセットになってきれいにラッピングされていますが、自分で選んだ果物で作ることもできます。
果物の選び方は先述した通りですが、盛り付ける数については奇数が良いとされています。
なぜかというと、割り切れる数字である偶数は弔辞や慶事でも故人や相手との縁が切れると考えられているためです。

ただし、末広がりで縁起が良いとされる「8」の場合は、偶数ですが使用されることもあります。
また「4」や「9」といった忌み数と呼ばれる個数は死や苦を連想させるため避けたほうが良いでしょう。
宗教によっては、果物の数が何個かについての考え方は気にしないとする宗派もあります。

かごに盛り付ける際には、果物を直接盛るのではなく、半紙を頂点をずらした三角形の形に折ったものを敷き、その上に盛り付けていきます。
あまり雑に盛り付けると見た目もバランスも悪くなってしまうので、丁寧に並べてヘタ部分が上になるように自然な状態にするのが◎。

例えば柿の場合、ヘタを下にしたほうがきれいに見えると感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまでもヘタは上向きが正解です。
また来客から見て見栄え良く盛り付けるのもコツのひとつですし、高坏(たかつき)や供物台を利用する場合は、同じ種類の果物なら2~3段にして飾ったり、違う果物とミックスして盛り合わせるなら1段飾りがおすすめです。

四十九日や納骨式、一周忌、初盆、お彼岸などの法事に果物をお供えするときのポイント

四十九日や納骨式、一周忌、初盆、お彼岸などの法事に果物をお供えするときの選び方や数は、先ほど紹介した内容と共通しています。

ポイントは以下になります。

  • 故人の好きだった果物
  • 常温でも日持ちする果物
  • 形の丸いもの
  • 旬のもの

逆に避けたほうが良いものとしては、

  • 香りの強い果物
  • 傷みやすいもの
  • 果汁が出やすいもの

で、イチゴや熟したバナナは避けるようにしましょう。
これは三回忌や七回忌法要などでも同様です。

納骨式であれば大きなスイカなど、スペースをとる果物はお供え物におすすめできません。
お彼岸の際も納骨堂にお供えをする場合は、場所をとらないものを選びましょう。

場所別の果物をお供えするときの置き方、ポイント

ここでは果物をお供えする場所ごとのポイントをお伝えします。
お供えをする時の果物の選び方や数はこれまで紹介した通りです。

お墓

お墓に果物をお供えする時のポイントは、直接お墓に果物を置かず、半紙や懐紙などの上に置くことです。
半紙が用意できない場合は、ハンカチやタオルなどで代用可能。
果物を置く位置は、お供え台の中央で、その左右に水やお茶を置きます。
南向きお墓の場合は、水はお墓に向かってに右に置きましょう。

お墓にお供えをした果物は、持ち帰るかその場でいただくのがマナーです。

神棚

神棚への基本的な毎日のお供え物は、お水、お塩、お米です。
リンゴやミカンなどの常温で長期間保存できる果物は普段とは違う特別なお供え物となり、置く場所には厳格な決まりはなく、神棚の手前側に置いても大丈夫です。
また果物を置くスペースがない場合には、神棚の近くにテーブルや棚を置いて、そこに果物をお供えしても問題ありません。

仏壇

仏壇に果物をお供えする場合はどこに置くのが良いのでしょう。
果物を仏壇に供えるときは、中段に供えるのが基本ですが、中段に収まりきらない盛籠の場合は仏壇の前か経机の横にテーブルを置いて、その上にお供えします。
畳や床に直接にお供え物を置くことはNGですので気をつけましょう。

お寺

お寺の場合は、お供えした果物はお参りが終わった後に「お下がり」として参列した人で分けたり、一部をお裾分けとしてお寺の方にも分けるので、これまで同様日持ちする果物を選びましょう。
また、お寺によっては豪華な盛籠ではなく、お盆の上に乗る程度の果物が最適だとされている場合もありますので、迷ったときにはお寺に確認をすると安心です。

お供えの果物の相場とどこで買えるのか

一般的なお供え物の相場は3,000円〜10,000円程度と幅広く、台が付いた立派な盛籠は15,000円〜20,000円が目安とされています。
金額に関しては故人との関係や地域によって変わってくるので、あらかじめ親族間で相談しておくと安心です。

法事のお供え用の果物は、高級フルーツでお馴染みの「千疋屋」や、「高島屋」「伊勢丹」などの百貨店をはじめ、「イオン」や「イトーヨカドー」などのスーパーでも購入可能です。
ただしあまり小さなスーパーでは取り扱っていない場合もあるので、ご注意ください。

またお供え用の果物は「楽天」や「amazon」などのネット通販でも多く売られています。
店舗に買いに行かなくても、先方まで送料無料で宅配してくれるサービスもあるので、お供え物を直接渡せない場合にも便利です。

いずれの場合も、お供え物にはのし紙をかけるのがマナーです。
お供え物ののしには故人や仏様への敬意が込められているため、うっかり忘れることがないようにしましょう。
なお、のしには四十九日までは薄墨で「御霊前(浄土真宗は御仏前)」と書き、四十九日以降は墨で「御仏前」と書くのがマナーですので、こちらも併せて知っておくと良いでしょう。

まとめ

この記事では、果物のお供えについて詳しくご紹介してきました。
お供物には「共に供する」という意味があり、お供えした後は仏様と分け合っていただくことが供養になると言われていますので、できるだけ残さずに食べることをおすすめします。
お供え後に食べるという観点からも、果物を選ぶ際には、色鮮やかでハリやツヤのある、できるだけ新鮮なものを選ぶのが大切です。

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