果物はビタミンやミネラルが豊富で、健康に良いとされています。
しかし、食べ過ぎるとカリウムの過剰摂取につながる可能性があります。
今回は、果物のカリウム含有量と、カリウムの過剰摂取を防ぐための1日の摂取量について解説します。
果物の食べ過ぎでカリウムの過剰摂取をすると
季節ごとに旬の時期を迎える果物は、栄養価が高く、おいしいのでついつい食べすぎてしまいがちです。
その果物の食べ過ぎで起こり得ることの一つに「カリウムの過剰摂取」があります。
果物の食べ過ぎによるカリウムの過剰摂取は、以下の症状が起こる可能性があります。
- 四肢や指、唇のしびれ
- 吐き気
- 不整脈
- だるさ
- 意識の消失
カリウムの栄養効果について
カリウムは、果物の食べ過ぎに注意をし、適量を摂取するとさまざまな健康効果が得られます。
そのため、カリウムを摂取することは体に良くないことばかりではありません。
また、カリウムが不足すると、「低カリウム血症」と呼ばれるカリウムの欠乏症を引き起こす可能性もあります。。
【カリウムの効果と役割】
- 血圧を安定させる
- むくみを改善
- 筋肉の収縮や神経伝達の正常化
カリウムは、体内の余分な塩分を排出する働きがあるので、血圧を下げる効果があります。
また、運動前にカリウムの多い果物を食べると、こむら返りを防ぐ効果も期待できます。
一方で、カリウムが不足することで起こり得る症状は、筋力の低下や便秘です。
さらにけいれんや自律神経に影響を与える可能性があります。
このようなことから、カリウムはバランスの良い摂取が望ましいと言えます。
カリウムを多く含む果物ランキング
カリウムには健康に効果のあるもの、そして過剰摂取により悪い影響があることがわかりました。
そこで気になるのは、果物や食品にはどれくらいの割合でカリウムが含まれているかです。
今回は、私たちの生活でなじみのある果物のカリウム量について、ランキング形式でご紹介します。
果物のカリウム量ランキング
果物のカリウム量の数値は、果物100gに対しての量です。
- アボカド(完熟):590〜720mg
- バナナ(完熟):360mg
- メロン:350mg
- キウイ:300mg
- さくらんぼ:210〜260mg(産地により異なる)
- ゆず:210mg
- ネクタリン:210mg
- もも(黄肉):210mg
- いちご:170mg
- もも(白肉):180mg
- 柿:170〜210mg
- 温州みかん:130mg
- りんご:120mg
- レモン:100mg
このように、健康に良いとされるアボカドやバナナなど、身近な食べ物にカリウムが多いことがわかります。
また、品種により含まれるカリウム量の異なる柿は、干し柿だと670〜800mgと高くなります。
果物の食べ過ぎでカリウムを摂りすぎないための対処法
果物を食べすぎてカリウムを摂りすぎてしまった場合、すぐに体に悪い影響が出たりはしません。
なぜなら、健康的な日常の食事では過剰摂取には当たらないからです。
しかし、果物を食べ過ぎた後に体の調子が悪い時は、カリウムの影響も考えられます。
そこで、果物の食べ過ぎによりカリウムをたくさん摂取した場合の対処法をご紹介します。
まず、1番の方法は、カリウム量の低い果物を選んで食べることです。
先ほどのランキングを見てわかるように、果物のカリウム量は種類により異なります。
また、果物は加工をするとカリウム量が変わる場合もあるので注意しましょう。
次に、タンパク質を控えましょう。
肉や魚などタンパク質を多く含む食品は、そのタンパク質の量に応じてカリウム量が増えます。
そのため、果物の他にタンパク質を摂取すると、カリウムの過剰摂取につながります。
カリウムの1日の摂取量の目安
1日に摂取できるカリウムの量を知れば、果物の食べ過ぎが防げます。
2020年版の厚生労働省により発表された「日本人の食事摂取基準」によると、18歳以上の男性では1日あたり2500mgが目安とされています。
また、女性の場合は、妊婦を含めて2000mgを目安としています。
さらに、生活習慣病の予防を目的とするなら、男性は3000mg、女性は2600mg以上が目安です。
ちなみに、小学生の子供のカリウム量の目安は1200〜1800mgです。
ただし、ここでご紹介する目安は健康な体の場合です。
そのため、病院でカリウムを減らす制限を受けている方は、医師の指示に従いましょう。
カリウムは果物の他に食品からも摂取されます。
また、サプリなどを併用されている方は、1日の合計摂取量を考える必要があります。
果物の食べ過ぎを防ぎ適量のカリウムを摂取する方法
日頃から果物の食べ過ぎを防ぎ、カリウムを適量摂るには、摂取の目安を知ることが大切です。
そして、カリウムが適量になるような工夫も重要です。
水溶性の性質を持つカリウムは、水にさらす、または茹でるとカリウム量が減少します。
そのため、野菜などは小さくカットしてから水にさらすとカリウムの量が減らせます。
また、丸ごと1個の果物を食べようとする時カリウム量が気になってしまう方もいるでしょう。
そのような方は、半分にカットして翌日食べましょう。
さらに、果物の缶詰を食べる場合、シロップの中にもカリウムが多く含まれます。
そのため、カリウムの量を考えるなら、シロップは飲まないのが得策です。
まとめ
果物は健康に良い栄養素が豊富に含まれていますが、食べ過ぎるとカリウムの過剰摂取につながる可能性があります。
カリウムの1日の摂取目安量は成人男性が2,500mg、成人女性が2,000mgです。
果物は1日に200g程度を目安に、さまざまな種類をバランスよく食べるようにしましょう。