果物はビタミンやミネラルが豊富で、健康に良いイメージがあります。
しかし、食べ過ぎると下痢になることがあります。
なぜ果物の食べ過ぎは下痢につながるのでしょうか?
この記事では、果物の食べ過ぎと下痢の関係について解説します。
さらに、下痢改善が期待できる、果物を食べる時のポイントなどもご紹介します。
果物を食べ過ぎると下痢になる?
果物を食べ過ぎると、下痢になるというケースがあるようです。
下痢の原因はさまざまですが、果物も種類によっては下痢を引き起こしやすくなるものもあるそうです。
さまざまな下痢の原因
下痢の原因は、人によりさまざまです。
食べ物、体質、環境、精神的なもの、病気などが関係していることが多いようです。
これらの要因がいくつも重なることがある下痢ですが、場合によっては果物に起因するケースもあります。
また、「朝の果物は金」ということわざもありますが、なかには朝に果物を食べるとお腹を壊すという方もいらっしゃるようです。
そのまますぐに食べられる果物はヘルシーで、手軽な間食にもおすすめですが、お腹を壊すことを気にしていては、せっかくの果物のおいしさを楽しめません。
お腹の弱い方は、下痢になりやすい果物を把握しておくと良いでしょう。
果物には下痢になりやすい種類がある
果物には整腸作用があるものも多いですが、中には下痢になりやすいものもあります。
以下に当てはまる果物は、下痢になりやすい傾向があるようです。
- 水分が多い:腸内の水分が過剰になる
- ソルビトールという糖が多く含まれる:お腹をゆるくする作用がある
- 冷蔵庫で冷やして保管された果物:体を冷やす場合がある
食べ過ぎると下痢になりやすい果物
ここでは、食べ過ぎると、下痢を引き起こしやすい傾向にある果物をご紹介します。
お腹を壊しやすい方は、食べる量や温度などに気をつけて食べるのがおすすめです。
ソルビトールが多く含まれるバラ科の果物
- さくらんぼ
- 梨
- プルーン
これらのバラ科に属する果物には、ソルビトールというお腹を緩くする働きがある糖が含まれています。
プルーンは多くのソルビトールが含まれていているので、強い緩下(かんげ)作用があります。
ドライフルーツで食べることが多いプルーンは不溶性の食物繊維も豊富なため、腸のぜん動運動も活発になります。
そのため、食べ過ぎると下痢を引き起こす可能性が高いでしょう。
クエン酸の多い果物
- いちご
- キウイ
- パイナップル
- みかん
- 柚子
- レモン
これらの果物や柑橘類などは、クエン酸やビタミンCが腸を刺激し、下痢や腹痛を引き起こすことがあります。
お腹が弱い方は、食べ過ぎないように注意しましょう。
水分が多い果物
- スイカ
スイカは、とても水分の多い果物ですよね。
冷やして食べることが多く、水分の多い果物は、食べ過ぎるとお腹が冷えて下痢を引き起こしやすくなります。
適量を守って食べることで、お腹の調子が悪くなることを避けられるでしょう。
タンニンの多い果物
- レーズン
- 柿
レーズンには鉄分、カリウム、マグネシウム、カルシウム、食物繊維などの健康に良い栄養が豊富ですが、緩下作用もあるのをご存知でしょうか。
レーズンに含まれるタンニンがたんぱく質と結びつくと、下痢を引き起こす原因となってしまいます。
牛乳や魚介類と一緒にレーズンを食べると下痢になりやすい、とも言われていますので、お腹が弱い方は食べ方を工夫して対処すると良いでしょう。
同様に、タンニンを多く含み体を冷やす柿も、消化しやすく下痢を引き起こしやすい果物です。
中でも渋柿にはタンニンが多く含まれますので、干し柿などの食べ過ぎには注意しましょう。
水溶性食物繊維の多い果物
- いちじく
- マンゴー
いちじくやマンゴーは、水溶性食物繊維が含まれる果物です。
水溶性食物繊維は水に溶けるとねばねばした状態に変化し、食べ過ぎると下痢や腹痛を起こしやすくなる特徴があります。
また、マンゴーには体温を下げる作用もあります。
食べ過ぎると腸が冷えて下痢を起こしやすくなりますので、食べる量には気をつけましょう。
下痢の時におすすめの果物は「桃」
桃はソルビトールを含むバラ科の果物ですが、整腸作用のあるペクチンを含みます。
そのため、少量なら下痢の時に食べるのは良いとされています。
特に有効とされているのは桃の水煮で、下痢の特効薬とも言われているそうです。
桃の水煮レシピ
生の桃でも作ることができますが、桃の缶詰を用意しておくと、お腹の調子が悪くなった時にすぐに作ることができます。
小さなお子様や、高齢の方がいらっしゃるご家庭にも桃の缶詰を常備しておきたいですね。
- 白桃か黄桃の桃の缶詰を用意する
- シロップを捨て、水洗いした桃を小口に切る
- 切った桃を、20分ほど中火で煮る
下痢に良いと言われる果物は?
下痢の時に食べると良いと言われる果物も、ここでご紹介します。
りんご
りんごは、下痢に良いとされるペクチンを豊富に含む果物です。
ペクチンは、りんごの皮と実の間に多く含まれています。
下痢の時は、皮ごとすりおろして食べるのがお腹に優しく、栄養が吸収されやすいのでおすすめです。
バナナ
バナナには、ペクチンやオリゴ糖が豊富に含まれます。
ペクチンとオリゴ糖の働きにより、腸内の善玉菌を増やし腸内環境を整える作用があるので下痢の改善に有効です。
下痢の時にバナナを食べるなら、よく熟したものにしましょう。
下痢の改善が期待できる、果物を食べる時のポイント
せっかく果物を食べるなら、下痢の改善につながる方法で食べたいですよね。
下痢の改善に期待できる果物を食べる時のポイントは、以下の2点が挙げられます。
- 生の果物を日常的に食べること
- 食前や食間に食べること
生の果物に含まれる酵素は、食べたものの消化を助ける働きがあります。
そのため、胃腸を壊しやすい方が生の果物を日常的に食べることで消化を助け、消化不良による下痢を防ぐことが期待できます。
その場合、食後ではなく、食前や食間に食べることがおすすめです。
それはなぜかというと、食後に食べるよりも食前や食間のほうが酵素の働きが活かされるからです。
食後に食べると糖分が発酵して消化不良を起こし、下痢を引き起こす可能性が高まります。
まとめ
果物はビタミンやミネラルなど、健康維持に欠かせない栄養素が豊富に含まれています。
しかし、食べ過ぎは下痢を引き起こす可能性があります。
特に、水分の多い果物などは、過剰摂取すると腸内環境を乱し、下痢の原因になることがあります。
果物は健康に良い食品ですが、食べ過ぎには注意が必要です。
適量を意識して、上手に食生活に取り入れましょう。