果物はビタミンやミネラルが豊富で、健康に良いイメージがあります。
しかし、実は食べ過ぎには注意が必要です。
果物には糖質が多く含まれているため、食べ過ぎると肥満や糖尿病などのリスクが高まる可能性があります。
そこで、果物の食べ過ぎに注意すべき理由と、適切な摂取量について解説します。
果物を食べ過ぎてはいけない理由
果物はヘルシーで、効率よく必要な栄養素が取れる万能食品ですが、食べ過ぎるのは禁物です。
では、果物を食べ過ぎると何がよくないのでしょうか。
果物を食べ過ぎると太る原因に
果物の甘さは果糖によるものです。
甘さは砂糖の1.2~1.7倍と高いですが、エネルギー量は1g4kcalと砂糖と変わりません。
このように、砂糖やブドウ糖よりも甘味を感じるので、ダイエット中の方や糖尿病の方でも安心して摂ることができます。
しかしそれは、あくまでも食べすぎないことが条件です。
果糖は体内に吸収されやすく、食べ過ぎると血糖値が上がりにくくくなります。
満腹感を得にくくなるため、食べ過ぎてしまう可能性があるのです。
また、摂りすぎた果糖は肝臓で中性脂肪として蓄積されやすくなり、脂肪肝のリスクが高まるといわれています。
果物を食べ過ぎると下痢をすることも
消化しにくい果物を食べ過ぎてしまうことで、腸で吸収しきれずにお腹を下してしまうことも否定できません。
また、水分量が多い果物を食べ過ぎてしまうことで、便の水分量が増加し、下痢や腹痛を引き起こしてしまう可能性があります。
また、果物は身体を冷やす効果もあります。
食べ過ぎると腸まで冷えて消化不良を起こし、下痢を引き起こす原因にもなります。
果物を食べ過ぎるとカリウムも摂りすぎてしまう
カリウムはミネラルの一種で、身体に必要不可欠な大事な栄養素です。
ただし、カリウムを多く含む果物を食べ過ぎてしまうと、手指のしびれやだるいなどの症状を引き起こす可能性があります。
そのため、食べ過ぎに注意が必要です。
肌に良い果物も食べ過ぎるとニキビの原因に
栄養価が高く手軽に食べることができる果物は、毎日でも食べたい食べ物です。
果物には、ビタミン類やミネラル類、食物繊維などが多く含まれています。
そのため、ニキビ予防の効果も期待できると言われています。
このように、基本的には肌に良い果物ですが、食べ過ぎるとニキビを増やす原因にもなりえます。
特にイチゴに練乳をかけたり、グレープフルーツに砂糖をかけて食べると糖分が増え、ニキビなどの肌荒れの原因になるので注意しましょう。
また、夜寝る前に果物を食べ過ぎてしまうと、エネルギーとして消費されないまま体内に蓄積されてしまいます。
美容や健康面を意識するなら、夜遅くに果物を食べるのは避けたほうがいいでしょう。
果物は食べ過ぎなければ病気予防が期待できる万能食材
果物には主に、
- 食物繊維
- ポリフェノール
- 抗酸化物質(ビタミンCなど)
- カリウム
といった成分が豊富に含まれています。
例えば、食物繊維には悪玉コレステロールの上昇を抑えてくれる、ペクチンやセルロースなどが多く含まれています。
そのため、食べ過ぎなければ病気予防が期待できる食材と言えます。
間食として適量の果物(1日80kcal)を、お菓子の代わりに食べると良いでしょう。
果物とストレスの関係性
抗酸化作用があるビタミンCは、ストレスを抑制する働きも期待できます。
そのため、ビタミンCが豊富な果物を効率よく摂ることは、ストレス解消などの効果も期待できるのです。
ストレス軽減のためにも、適切な量を毎日食べることをおすすめします。
食べすぎ注意!果物の1日の摂取量
ついつい食べ過ぎてしまう果物ですが、では、1日どのくらい摂取すればいいのでしょうか。
大人の果物の摂取量
厚生労働省が推奨している果物の量は、1日あたり約200gです。
果物別でいうと、以下の通りです。
- スイカ:大きめのカット1切れ
- メロン:1/4玉
- 桃:1個
- ゆず:皮付きのまま丸ごとなら1/4個、皮のみは半分、果汁のみは2個程度
- みかん:2個
- ライチ:10個
- 柿:1個
- さくらんぼ:16個
他の果物を合わせて食べる時は、個数を減らして調整するといいでしょう。
妊娠中の果物
ビタミンやミネラルが豊富な果物は、妊婦さんに最適な食材と言えます。
ただ、体重増加や妊娠糖尿病を引き起こさないためにも食べ過ぎないことが大切です。
妊娠中に摂りたい1日の摂取量は、以下の通りです。
- 妊娠初期:約200g
- 妊娠中期、後期:約300g
果物は調理不要でそのまま食べられますし、牛乳やヨーグルトと一緒に摂ることでカルシウムも一緒に補給できるのでおすすめです。
1歳までの赤ちゃんの果物の摂取量
離乳食が始まる6ヶ月前後から赤ちゃんに果物を食べさせることでしょう。
では赤ちゃんの場合は、1日どのくらいの量の果物がベストなのでしょうか。
目安としては、以下の通りです。
- 離乳食初期(6ヶ月、7ヶ月):約10〜20g
- 離乳食中期(8ヶ月、9ヶ月):約50g
- 離乳食後期(10ヶ月、11ヶ月):約90g
- 離乳症完了期:約100g
赤ちゃんの様子を見ながら徐々に増やしていくといいでしょう。
1歳〜7歳までの幼児の果物の摂取量
次に、離乳食を完了した1歳〜7歳までの幼児は、1日にどのくらいの量の果物を摂取すれば問題ないのでしょうか。
- 1〜3歳未満:100g
- 3〜6歳未満:150g
100gの目安は、バナナ1本、りんご1/2個です。
7歳の小学生以上は、大人と同じ200gが目安ですが、食べ過ぎないようにしましょう。
夜に食べていい果物3つ
果物はなるべく夜ではなく、朝や昼に食べるといいですが、どうしても夜に食べたくなる時もあるでしょう。
夜に果物を食べたい時におすすめしたい果物は、下記の通りです。
- みかん
- キウイフルーツ
- バナナ
「GI値」と呼ばれる数値をご存知でしょうか。
GIとは、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示した指標です。
GI値が高い果物ほどエネルギーに変わりやすく、寝る前にGI値の高い果物を食べると、エネルギーが発散できずに中性脂肪へと代わってしまいます。
みかんとキウイフルーツはこのGI値が低いので、夜におすすめです。
また、バナナには成長ホルモンを活性化する「アルギニン」という成分が含まれています。
夜寝る前に食べることで美肌効果や成長の伸びなどの効果が期待できます。
そのため、夜に食べる果物としておすすめです。
食べ過ぎた次の日は果物がおすすめ
「昨日はご飯を食べ過ぎたな」という時ありませんか?
フレッシュな果物は、食べ過ぎた次の日にもおすすめです。
そのまま食べるだけでなく、ミキサーにかけてスムージーなどの飲み物にしてもOK。
朝食を抜かずに果物メインにすることで、胃や腸に負担をかけずにリセットできるでしょう。
まとめ
旬の果物は味も濃くみずみずしいので、美味しくてついつい食べ過ぎてしまいます。
しかし、1日の摂取量を目安に食べ過ぎないことが大切です。
ぜひこの記事を参考に、毎日の食事に果物を取り入れてください。