みずみずしくて美味しい梨。
秋になると、店頭に並び購入することができますが、時期によって収穫される品種が違うのをご存じでしょうか。
梨には数多くの品種があり、それぞれ特徴が異なります。
そこで今回は、梨の品種や産地によって収穫時期が異なることについてご紹介します。
また、あまり出回らない希少品種や、洋梨についてもご紹介します。
ぜひ参考にして、梨の違いについて学びましょう。
梨は品種によって収穫時期が異なる
梨と言えば、どんな形の果物を思い浮かべますか?
一口に梨と言っても、丸い形をした日本梨(和梨)と、ひょうたんの形のような洋梨があります。
さらに、日本梨には果皮の色が黄褐色の「赤梨」と、果皮が淡黄緑色の「青梨」があり、品種も多くあります。
秋の味覚として人気がある果物ですが、日本梨は弥生時代には食べられていたとされており、古くから日本で親しまれていた歴史ある果物でもあります。
梨はバナナ、りんご、キウイなどのように1年中流通している果物ではなく、旬の時期のみにお店に並べられます。
品種によって収穫時期も異なり、早生種は7月頃から収穫され、晩生種は12月頃まで収穫されます。
最も多く収穫される時期は8月から10月頃です。
梨の収穫時期は同じ品種でも産地によって異なる
梨は品種によって収穫時期が異なることを紹介しましたが、産地によっても収穫時期が異なります。
これは、日本列島の作りが関係しています。
日本は縦に長い形をしていて、同じ季節でも南と北では気温が異なります。
梨は、気温が高い方が熟すのが早い傾向があるのです。
そのため、同じ品種の梨でも九州地方など南で育てられている梨の方が早く収穫されます。
そして、徐々に収穫される場所が北へと移動します。
同じ品種でも、購入する時期によって産地が異なるため、梨を購入するときは品種だけでなく、産地についても確認してみましょう。
産地によって、味や食感の違いを感じてみるのもおすすめです。
梨の品種別収穫時期
梨にはたくさんの種類がありそれぞれ特徴が異なります。
ここでは、主な梨の品種の収穫時期を一覧でご紹介します。
- 幸水…7月上旬から9月中旬
- 新甘泉…8月下旬から9月上旬
- 二十世紀…8月下旬から10月中旬
- 豊水…9月
- あきづき…9月上旬から10月上旬
- 新高…9月下旬から11月下旬
- 南水…9月下旬から10月上旬
- にっこり…10月下旬から11月下旬
- 新興…10月下旬から11月下旬
梨の希少品種について
梨は、「幸水」「豊水」「二十世紀」などの収穫量が多いですが、人気の品種以外にもいろいろな品種があります。
中には、あまり流通していない希少品種もあります。
希少な品種を2つご紹介します。
稲城
1つ目は、東京都稲城市で生まれた、稲城(いなぎ)です。
幻の梨とも呼ばれるほど、希少価値が高い梨です。
東京都のみで栽培され、収穫時期は8月中旬から9月上旬頃です。
果実は大きく、果肉は柔らかめです。
多汁で酸味は少なく糖度が高く甘いのが特徴です。
秀玉
2つ目にご紹介するのは、秀玉(しゅうぎょく)です。
秀玉は、農林水産省果樹試験場で品種改良され生まれた梨です。
「菊水」と「幸水」を交配して育成され、1988年に品種登録されました。
果実は大きく、果肉は柔らかめでシャリシャリとした食感です。
多汁で、香りは少し弱めで酸味は少なく、とても甘いのが特徴です。
秀玉は栽培している地域が少ないため、流通する数も限られています。
あまり見かけることのない珍しい梨を、ぜひ味わってみましょう。
洋梨の品種と収穫時期
最後に、洋梨の品種と収穫時期についてご紹介します。
洋梨は日本梨と違い、なめらかな食感が特徴です。
香りも強く甘みもねっとりとしています。
洋梨にもいろいろな品種があり、収穫時期が異なります。
主な品種の収穫時期をご紹介します。
- バートレット…8月下旬
- オーロラ…9月上旬
- マリゲリット・マリーラ…9月中旬
- バラード…9月下旬
- ラ・フランス…10月上旬
- ゼネラル・レクラーク…10月中旬
- ル・レクチェ…12月上旬
- シルバーベル…12月下旬
洋梨は日本梨と違い、追熟させる必要があります。
果実が硬く熟していない梨は常温で保存し、熟すまで待ちましょう。
完熟した洋梨を置いておくと柔らかくなりすぎてしまうため、日持ちさせたい場合は完熟する少し前くらいに冷蔵庫で保管するのがおすすめです。
まとめ
この記事では、梨の収穫時期についてを詳しくご紹介しました。
梨にはいろいろな品種があり、種類によって収穫できる時期が異なります。
また、栽培している地域によっても収穫時期が異なります。
主な梨の収穫時期や希少品種の梨についてもご紹介しました。
梨は、品種によって味や食感、旬の時期などが異なるため、いろいろな品種を食べ比べて、その魅力を味わい尽くしましょう。