亜鉛は、免疫力や代謝、生殖機能など、さまざまな働きに欠かせない栄養素です。
しかし、亜鉛は吸収されにくいという特徴があります。
そこで、亜鉛の吸収を高めるために役立つレモンの効果について、詳しく解説します。
亜鉛を多く含む食材もご紹介していますので、レモンと一緒に摂って効果的に亜鉛を取り入れましょう。
辛いものが食べたくなるのは亜鉛不足?
味覚に影響を与えるだけでなく、健康的な肌や髪、爪を作るために欠かせない栄養素、亜鉛。
亜鉛が不足すると、味がしなくなることはよく知られています。
人より薄味に感じたり、激辛の食べ物がやめられないという場合は、亜鉛不足が考えられるかもしれません。
亜鉛不足により現れる症状
亜鉛が不足すると、次のような症状が現れると言われています。
- 味がわからなくなる味覚障害
- 皮膚炎
- 口内炎
- 慢性炎症
- 脱毛
- 食欲不振
- 新陳代謝の低下
- 傷が治りにくい
- 普段から口の中に苦味を感じる
- 舌の表皮にピリピリ感があり舌が痛い
レモンは亜鉛の吸収を高める
レモンに含まれるクエン酸やビタミンCには、キレート作用があります。
キレート作用とは、ミネラルなどの栄養素を包み込んで形を変え、体内に吸収されやすくする働きです。
このキレート作用により、レモンを一緒に摂取すると亜鉛の吸収を高める効果があります。
そのため、亜鉛の含有量の多い食材と一緒にレモンを摂ることがおすすめです。
サプリメントなどからでも亜鉛の摂取は可能ですが、過剰摂取になりやすいので注意しましょう。
気をつけたい亜鉛の過剰摂取
現代人に不足しがちと言われるミネラルのひとつが、亜鉛です。
しかし、不足しがちだからといって摂りすぎるのも考えものでしょう。
亜鉛の過剰摂取には、体調に次のような影響があることが知られています。
- 免疫力の低下
- 銅欠乏
- 貧血
- 吐き気など胃の不調
- 頭痛、発熱
- 倦怠感
適度な量を摂取するように心がけましょう。
亜鉛を多く含む食材とレモンを合わせよう
亜鉛は体に欠かせないミネラルのひとつですが、体内で作り出すことができません。
そのため、食材などから摂取する必要があります。
レモンと合わせて食べたい、亜鉛の含有量が多い食材をご紹介します。
魚介類
魚介類の中では、亜鉛は生牡蠣に最も多く含まれます。
海のミルクと呼ばれる牡蠣は、栄養豊富。
むき身なら5〜6個で、成人の1日の亜鉛の摂取基準を満たすことができます。
前菜などで生牡蠣を食べる時は、ぜひレモン汁をかけていただきましょう。
主な亜鉛を含む魚介類は、以下の通りです。
- 牡蠣
- しじみ
- ホタテ
- うなぎの蒲焼
- しらす干し
- たらこ
- イワシ
- サバ
- アジ
- 煮干し
肉類
肉類の中では、豚レバーに亜鉛が最も多く含まれます。
豚レバーは下処理をしっかりすることで、臭みを消すことができますよ。
レバニラ炒めなどで、香味野菜と合わせて調理するのもおすすめです。
亜鉛を含む肉類は、以下の通りです。
- 牛もも肉など牛肉赤身
- 豚レバー
- 鶏レバー、鶏もも肉
卵・乳製品
- 卵黄
- チーズ
- 牛乳
豆類
- 納豆
- もめん豆腐
- 油揚げ
- あずき
- 焼き豆腐
- 枝豆
- きなこ
野菜類
- 大葉
- 切り干し大根
- しいたけ
- ごぼう
種実類
- アーモンド
- カシューナッツ
- 落花生
- ゴマ
- かぼちゃの種
藻類
- わかめ
- のり
穀類
- 精白米
- そば
レモンの代わりになるクエン酸を含む果物などの食材
酸味や苦味が口に合わないなど、レモン以外でクエン酸を取り入れたい場合もあるでしょう。
ここでは、レモンの代わりになる、クエン酸を多く含む果物や食材をご紹介します。
柑橘類の苦味成分は、特に皮に多く含まれていますよ。
苦味が苦手な方は、皮を取り除いて食事に取り入れても良いでしょう。
- かぼす
- ライム
- シークワーサー
- すだち
- 温州みかん
- 梅干し
- 酢
亜鉛の吸収を妨げる食品
亜鉛の吸収を高めるのはレモンなど、ビタミンCやクエン酸を含む食材でしたね。
反対に、亜鉛の吸収を阻害する食品はあるのでしょうか。
「フィチン酸」や「シュウ酸」を含む食品は、亜鉛の吸収を妨げる働きがあります。
亜鉛を効果的に摂取したい時は、フィチン酸やシュウ酸を多く含む、以下の食品を過度に摂らないようにしましょう。
また、食品添加物に含まれるポリリン酸などを使った加工食品も、亜鉛の吸収を妨げます。
加工食品やレトルト食品のほかにも、過度の飲酒も注意が必要です。
アルコールは体内の亜鉛を消費し、亜鉛の排出を促します。
- コーヒー
- オレンジジュース
- お酒
- ほうれん草などの青菜
- 加工食品
- 精製されていない小麦や種子などの穀類
レモンの効果といろいろな使い道
亜鉛を多く含む食材と一緒に摂ると、亜鉛を効果的に摂取できるレモン。
ほかにも、多くの使い方ができます。
さまざまなシーンで役立つ方法などをご紹介していきましょう。
- レモン汁を唐揚げにかけると、脂肪吸収を抑えたり消化を助ける働きがある
- 焼き網にレモン水を塗ると、肉や魚がくっつきにくい
- 食前にレモン水を飲むと、食べすぎを防ぐ効果が期待できる
まとめ
レモンに含まれるクエン酸は、亜鉛の吸収率を高める働きがあります。
そのため、亜鉛を多く含む牡蠣や肉類、豆類などをレモンと一緒に食べると、より効率的に亜鉛を摂取することができます。
また、レモンにはビタミンCも豊富に含まれています。
ビタミンCは、亜鉛の吸収を促進するだけでなく、免疫力や美肌の維持にも役立つ栄養素です。
日々の食事に取り入れやすいレモンを活用して、亜鉛不足を防ぎましょう。