その家を守る神聖な場所、小さな神社とも言える神棚。
大切にお祀りしたい神棚ですが、お供えする果物について、ふさわしいものや正しい配置方法などをご存知でしょうか。
この記事では、神棚にお供えする果物について、選び方や置き方などについてまとめました。
また、お供えした後の果物は食べて良いのかや、処分方法についてもご説明します。
神棚への基本のお供え物とおすすめの果物
その日の希望や決意を思い起こしたり、無事に一日を過ごせたことに感謝の気持ちを伝えたりする神棚。
毎日神棚に向かって感謝と祈りを捧げることで、心が穏やかになる精神的な癒やし効果を感じられる方も多いでしょう。
時代が進んでも私たちの生活にしっかりと根付いている神棚ですが、お供え物について詳しくご存知でしょうか。
神棚へのお供え物は、基本のお供え物と、特別なお供え物があります。
基本のお供え物
神棚への基本的な毎日のお供え物は、古来から貴重なものとして重んじられてきたお水、お塩、お米です。
お水は神様に感謝の気持ちを込めて、その日の一番はじめに汲まれる水を用意することがベターです。
とはいえ一番水が難しい場合は、心を込めて用意したお水や、ミネラルウォーターなどでも問題ありません。
お塩は精製塩ではなく、海水に含まれる成分を残している粗塩を用意しましょう。
お米は洗米か、炊きたてのご飯をお供えします。
特別なお供え物
お水・お塩・お米の基本のお供え物のほかに、毎月1日と15日、あるいはお祝い事などがあった時にお供えするのがお酒や、特別なお供えです。
特別なお供え物としては果物や野菜、季節の初物やいただき物や縁起物などが挙げられます。
特別なお供え物におすすめの果物
神棚へ特別にお供えする果物では、橘やりんごや梨、みかんや柿などがおすすめです。
祝詞(のりと)の祓詞(はらえことば)の中にもよまれる橘は、神様と関係が深い果物とされています。
そのほかお正月には、さらに鏡餅や昆布やスルメをお供えします。
神棚にお供えする果物の選び方
- 日持ちするもの
- 常温で長持ちするもの
- 傷みにくいもの
お供え物は神様への敬意と感謝を表すものですから、基本的にはお供えする果物の種類に特に決まりはありません。
ただし、腐りやすく傷みやすい種類の果物はお供え物には不向きです。
そのため、りんごや梨、みかんや柿、橘など、常温で長期間保存できる果物を使用するのがおすすめです。
神棚にお供えする果物はどこで買えるのか
お供え物の果物は、スーパーや果物店などで購入できます。
人気の旬の果物をお探しの方は、ふるさと納税サイト「さとふる」や「ふるさとチョイス」などで最新のランキングをチェックすることができます
神棚にお供えする果物の配置
神棚へのお供え物は、神様に近い位置に重要な物を置きます。
果物は、重要なお供え物よりも遠い場所に置いても構いません。
基本のお供え物の配置
毎日の神棚へのお供えは、中央奥にお米、向かって右側の手前にお塩、向かって左側の手前にお水を置きます。
1日と15日にお供えするお酒は、お猪口や徳利などの器に入れて、向かって左からお水、お酒、お米、お塩の順に並べます。
こうした重要なお供え物は、神様に近い場所に配置することが必要です。
神棚に向かって一番奥の中央が神様に近い場所になり、最重要のお米を中心としてお供えする形になります。
果物をお供えする時の置き方
基本のお供え物の配置にはルールがありましたが、神棚にお供えする果物の置き方には、決まりはあるのでしょうか。
果物は神棚の手前側の、神様から遠い場所に置いても差し支えありません。
重要なお供え物を神様の近くにお供えしていれば、果物の置き場所については緩やかに考えても良いでしょう。
家屋事情によっては、果物や野菜などの特別なお供えを置くスペースがない場合もありますよね。
そのような時には神棚の近くにテーブルや棚を置き、そこに果物や野菜、お菓子などを置いてお供えしたという形でも支障ありません。
家庭でお祀りする場合は、お供え物の配置に厳格にこだわるよりも、心を込めてお供えすることが大切と言われています。
神棚に果物などの特別なお供え物を配置するスペースがない時は、神棚の近くに果物などを置いて参拝すれば十分と考えられるでしょう。
神棚にお供えした果物はその後どうする
常にお供えしているお米、お塩、お水は毎日取り替える必要があります。
お供えの果物については取り替える頻度に決まりはありませんが、傷まないうちに下げないといけません。
神棚にお供えした物には、神さまの御霊(みたま)がこもるとも言われていますので、下げた果物はそのままいただきましょう。
お供え物を食べることを、「神様からのお下がりをいただく」と言い表すこともあるようです。
お下がりをいただくことで、神様から力をもらうような気持ちになれるかもしれません。
神棚へのお供え物は家族で分けるなどして、できるだけ残さずいただくことが好ましいとされています。
しかし、夏場など食材が傷みやすい時期には、果物が変色してしまうこともあるかもしれません。
傷んでしまった食材は、無理に食べずに白色の紙に包んで処分しましょう。
神棚はいつから家庭に祀られるようになったのか
いつから神棚が家庭に祀られるようになったかというと、江戸時代からと言われています。
お寺は本尊をお祀りしますが、神棚では日本古来の神様をお祀りしますよね。
日本国民の総氏神とされる伊勢神宮をお祀りしている神棚のルーツは、伊勢神宮のご神徳を全国に説いて広める「御師(おんし)」と呼ばれる人たちに始まるようです。
江戸時代には、この御師が伊勢神宮の御神札を配っており、神棚はこの御神札を祀るために作られたと言われています。
当初は簡素なものでしたが、時を経て現在よく目にする宮型の豪華なものになっていったようです。
近頃ではリビングにも馴染みやすい和モダンの白木の神棚も人気です。
時代が進んでも私たちの精神的な生活にしっかりと根付いているのが、神棚なのですね。
まとめ
お供えには、お米・お水・お塩の毎日の基本のお供えと、1日・15日などの特別なお供えがありました。
特別なお供えには果物や野菜、お菓子などが用いられますが、果物をお供えする際は、傷みにくく常温で日持ちするものを選びましょう。
お供えした果物は、その後新鮮なうちにいただいても問題ありません。
家庭で神棚をお祀りする場合はあまり形にこだわらず、心を込めてお供えすることが大切です。