秋といえば、食べ物が美味しい季節です。
特に果物に目がないという方も多いでしょう。
旬の食べ物には、ほかの季節にはないパワーが詰まっているのをご存じでしょうか。
この記事では秋が旬の果物について、食べ頃や保存方法、おいしい果物の見分け方や、旬の食べ物がもたらす健康効果などをご紹介します。
秋が旬の果物について
旬とは、特定の食材が他の季節よりも新鮮に食べられる時期のことです。
自然に育てた果物や野菜や魚貝がたくさんとれる時期のことで、最も味が良い出盛りの時期と言われていますよ。
生鮮食品が並ぶスーパーなどでも、「今が旬」「旬を味わう」といった宣伝文などをよく見かけますよね。
旬の食材と聞くと、真っ先に秋にとれる食べ物を思い浮かべる方も多いかもしれません。
「食欲の秋」「実りの秋」ということわざにもあるように、秋は果物をはじめきのこや根菜類、そら豆や枝豆などの豆類、秋鮭や真鯛など海鮮も豊富にとれます。
中でも秋の旬の食材といえば、やはり美味しい果物をイメージしませんか?
ぶどうのほか、桃、夏からまだ旬の梨や柿、いちじくなど、数多くの果物が私たちの舌も目も楽しませてくれます。
これらの食材は、味も美味しく、栄養も素晴らしいので積極的に食べたいものです。
そこでここでは、秋の旬の果物について詳しくご紹介します。
秋が旬の果物一覧
- いちじく
- 柿
- キウイ
- 栗
- 梨
- ぶどう
- みかん
- 桃
- ラ・フランス
- りんご
栗は野菜か果物なのか、判断に迷われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
秋の代表的な味覚のひとつである栗は、樹木に実る果物です。旬は9月から10月です。
農林水産省が、樹木になるものを果物と分類しています。
秋が旬の美味しい果物の見分け方
果物も、味の当たり外れがありますよね。
美味しい秋の果物の見分け方を知って、より旬の味覚を味わいましょう。
いちじく
- 皮にハリがあり、丸く大きいもの
- 全体が付け根まで赤褐色に色づいているもの
- 傷や傷みがなく、切り口が新しいもの
柿
- ヘタが乾燥しておらず、変色していないもの
- ハリがあり、全体が鮮やかなオレンジ色に発色しているもの
- ずっしりと重みがあるもの
キウイ
- うぶ毛が均一なもの
- 表面にシワがないもの
- ほんの少し弾力があるもの
栗
- 皮がツヤツヤしていて光沢があるもの
- 表面がしなびていないもの
- 重みがあり、白い部分が大きいもの
梨
- 形が良く、ハリと重みがあるもの
- 軸が太くてしっかりしているもの
- 表面に色ムラがないもの
ぶどう
- 皮にハリがあり、表面にブルームと言われる白い粉がついている
- 軸がいきいきとした緑色をしていて、しおれていないもの
- 実が枝から落ちていないもの
みかん
- 形が扁平なもの
- 表面の色が濃くツヤツヤしているもの
- 皮が浮いていないもの
桃
- 果点と呼ばれる白いつぶつぶが表面全体に広がっているもの
- 丸い形で左右対象のもの
- 全体にうぶ毛があり、香りの強いもの
ラ・フランス
- 大玉でふくよかな形のもの
- ずっしりと重みのあるもの
- 皮に傷がなく、軸周りに弾力のあるもの
りんご
- 下まで濃く色がついて重く感じるもの
- おしりのくぼみが深く変形していないもの
- 表面の果点と呼ばれる小さな点が目立ち、ツルが太いもの
秋が旬の果物は、いつが食べ頃
せっかくいただくなら、食べ頃を見極めて美味しくいただきたいものですよね。
秋が旬の果物について、いつが食べ頃なのかご紹介します。
いちじく
耳たぶくらいの柔らかさになってきたら、食べ頃です。
おしりが開いてきたら完熟しています。
柿
太秋など柿の中には、条紋と呼ばれる黒い横縞があるものがあります。
これは熟したおいしい柿に表れる模様です。
柿の食べ頃をチェックするには、条紋があるかどうかも確認してみると良いでしょう。
しかしながら、柿には柔らかい柿と固い柿があり、好みもそれぞれあるものです。
トロトロの柔らかい柿か、シャキシャキの固い柿が好みかで、食べ頃については好き好きで選んで良いでしょう。
固い柿が好きな方は常温に置いておくと追熟が進むので、購入後早めに食べることがおすすめです。
キウイ
キウイは皮の色などで熟度をチェックすることはできません。
表面やヘタを優しく押して、弾力があれば食べ頃です。
梨
表面のザラザラした茶色い斑点が減り、ツルツルになると食べ頃です。
青梨は果皮に黄色みが、幸水などの赤梨は赤みが出てきたら美味しく食べることができるでしょう。
ぶどう
ぶどうは完熟させて収穫しますので、購入したらなるべく早く食べましょう。
シャインマスカットの場合は、全体が黄色味がかってきたら食べ頃です。
みかん
ヘタが黄色くなってきたら食べ頃です。
ハウスみかんは早生のもので4月から7月、後期加温のものは7月から9月が旬となっています。
桃
おしりが柔らかくなってきて、ヘタの部分も少し柔らかくなってきたら食べ頃です。
ヘタの周りは最後に熟してきますよ。
食べ頃には、甘い香りがしてきます。
ラ・フランス
果皮の色がそれほど変化しないラ・フランスは食べ頃の見分け方が難しいと言われています。
しかし、軸と、軸の周りのシワ、香りなどで食べ頃を判断できますよ。
ラ・フランスは食べ頃になると、軸が枯れたようにしおれ、軸の周りにシワがよってきます。
お尻が柔らかくなり、茶色に変色してきたら食べ頃です。
完熟すると、甘い香りがしてきます。
りんご
つがるやジョナゴールドなどは、ツヤツヤ・テカテカになってきたら、食べ頃です。
あまりにもツヤツヤし過ぎていて、なにか科学的なワックスなどを塗っているのではないか、と消費者が疑いを持つこともあるそう。
しかしこれは、りんご自身が作り出す天然の脂質なので、問題ありません。
油上がり(あぶらあがり)と呼ばれる現象で、りんごが完熟した証なのです。
この現象は、品種によっては表れません。
王林などは塾してもテカテカになることはなく、黄色みが強くなって来たら食べ頃です。
秋が旬の果物の保存方法
果物によって、最適な方法で保存すると長く美味しさを楽しむことができますよ。
秋が旬の果物の保存方法についてご紹介します。
いちじく
洗わずにひとつずつペーパータオルで包み、ジッパー付き保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。
洗うのは、食べる直前にしましょう。あまり日持ちはしないので、早めに食べきることがおすすめです。
柿
柿は常温で保存することにより、熟成が進みます。
熟していないまだ固い柿は、常温で保存すると良いでしょう。
常温の場合、柿のヘタを下にしてポリ袋に入れ、袋の口を閉じて風通しの良い20度前後の場所で保存します。
キウイ
熟していない場合は、常温で保存して追熟を待ちましょう。
早く熟してほしい場合は、エチレンを多く放出するりんごと同じ保存袋に入れると熟すスピードが早まります。
栗
風味が落ちやすい栗は、皮のまま茹でて冷凍することがおすすめです。
3ヶ月ほど保存できる上、渋皮と実に隙間ができるため皮むきも簡単になります。
皮のまま栗を鍋に入れ、約50分中火〜弱火で茹でます。
その際アクが浮いてきますが、えぐみの元になりますのでしっかり取り除きましょう。
梨
まるごとの梨は、冷蔵庫などの冷暗所で保存します。
乾燥に弱いので、一個ずつラップや新聞紙で包んだり、保存袋で密閉することがおすすめです。
梨が呼吸しやすいように、ヘタを下にして保存することで品質を保つことができます。
カットした梨の場合は、酸化を防ぐため砂糖水や塩水、レモン水に浸けます。
その後ラップで包み、タッパーやジッパー付き保存袋などに入れてに冷蔵庫で保存しましょう。
そのまま冷凍保存すると、さまざまな食べ方ができます。
コンポートやシャーベットなど、デザートや料理にも使うことができますよ。
ぶどう
洗わないですぐに冷蔵庫へ入れて保存しましょう。常温に置いておくと、傷みが早まります。
ブルームという白い粉が、ぶどう自身の鮮度を保つ役割を果たしていますので、食べる直前に洗うことがおすすめです。
小粒ぶどうの場合は、洗わずペーパータオルで包み保存容器に入れて冷蔵庫で保存しましょう。
冷凍する場合は、軸に流水をかけて洗ってから保存します。
桃
固い場合は、冷暗所で数日間常温保存し、追熟を促します。
長時間冷蔵庫に保存すると、甘くなる追熟もストップしてしまいます。
食べる2〜3時間前に、冷蔵庫で冷やしましょう。
ラ・フランス
乾燥を防ぐためにペーパータオルや新聞紙で包み、ポリ袋に入れましょう。
湿気を保つことが大切なので、直射日光や冷暖房の風が当たらない室内で保管します。
完熟前のものは常温で追熟させ、完熟後は冷蔵庫で保存しましょう。
ラ・フランスをペーパータオルで包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存します。
りんご
りんごは低温多湿を好み、美味しさを保つには乾燥を防ぐことが大切です。
水分が蒸発しないようポリ袋に入れて保存しましょう。
エチレンを放出するので、ほかの果物と分けて冷蔵庫や冷暗所で保存します。
みかん
風通しの良い冷暗所がおすすめです。
ダンボール箱で保管する場合は、重ね過ぎに注意し蓋は開けておきましょう。
一部のみかんだけ腐ったら
保存しているみかんが一部だけ腐ったら、腐っているみかんを速やかに取り除きます。
その際、腐ったみかんから出た汁が、ほかのみかんに付着していないかチェックしましょう。
腐ったみかんから出た汁には、腐敗菌が含まれます。
まわりのみかんに汁が付いていた場合は、水で洗えば問題ありません。
秋が旬の果物の主な栄養素と健康効果
秋が旬の果物は、これから来る寒い冬に備え、栄養価が高いという特徴があります。
厳しい寒さを越せるように、植物自体が栄養を蓄えているそうですよ。
秋が旬の果物は免疫力を上げ、抗酸化作用のあるビタミンCやカロテンなどを多く含んだ果物が多いということです。
たとえば柿やキウイ、みかんなどには、ビタミンCが豊富に含まれています。
りんごは、抗酸化作用があるりんごポリフェノールや、腸を整える食物繊維が豊富です。
特に柿には、レモンやみかんの約2倍のビタミンCが含まれているそうですよ。
なぜ旬の食べ物は体に良いと言われるのか
昔から、旬の食べ物は体に良いと言われてきました。
それはなぜかというと、旬の食材にはその季節に応じた栄養素が豊富に含まれているからです。
例えば夏の食べ物は体を冷やし、冬にとれる食べ物は体を温める作用があります。
一般的に、旬にとれるものは他の時期に育つものよりも味が良く、栄養価も優れます。
ある研究では、旬でない時期に収穫された食物は、旬の何倍も食べないと同じだけの栄養値を摂ることはできないとの結果が出たそうです。
旬の食べ物を食べることにより、その季節の体に合わせた効果が期待できます。
味も栄養価も最も高い旬の食材を、積極的に食べることがおすすめです。
旬の時期に名産地の美味しい果物を食べたい時は
せっかくの美味しい果物は、旬の時期にいただきたいものです。
しかしいつが旬だとか、その時期に人気のある果物が何なのか、名産地はどこなのかなど詳しくわからない場合もあるでしょう。
そのような時に、スピーディーに旬の美味しい果物を見つける方法があります。
それは、ふるさと納税の「ふるさとチョイス人気ランキング」を見てみることです。
1位はもちろん、2022年のランキングトップ10なども、すぐに確認できます。
北海道から沖縄までの日本全国の名産地から、人気の果物を詳しくチェックすることができますのでおすすめです。
秋が旬の果物のおすすめ料理
秋が旬の美味しい果物は、デザートはもちろん普段の料理やおつまみなどに活躍します。
毎日のメニューに役立つ、秋が旬の果物を使ったおすすめ料理を果物ごとにまとめてみました。
ここでご紹介したのはほんの一例ですが、詳しいレシピは検索するといろいろ探すことができるでしょう。
いちじく
- いちじくとチーズのピザ
- いちじくとナッツの白和え
- いちじくとチーズのサラダ
柿
- 柿とナッツの白和え
- 柿入りポテトサラダ
- 柿の浅漬け
キウイ
- キウイの肉炒め
- キウイソースを使ったカルパッチョ
- キウイのグリーンサラダ
栗
- 栗ご飯
- 栗と肉の炒めもの
- 栗のポタージュ
梨
- 梨と肉の炒めもの
- 梨と生ハムのサラダ
- 梨の漬物
ぶどう
- ぶどうのマリネ
- フルーツピザ
- ぶどうとチーズのサラダ
みかん
- サラダ
- マリネ
- みかんソースでステーキ
桃
- 冷製パスタ
- 桃の生ハム巻き
- 桃と生ハムのサラダ
- 桃のマリネ
ラ・フランス
- 冷製スープ
- ラ・フランスとトマトの冷製パスタ
- ラ・フランスの生ハム巻き
りんご
- りんごとさつまいもの甘煮
- りんごと野菜の甘辛炒め
- りんごの肉巻き炒め
秋の季語に入っている果物
最後に、秋の季語になっている果物の名前についてご紹介します。
季語とは、春夏秋冬の季節感を表現するために、俳句や手紙などで読み込まれる言葉です。
風流な季語で、季節の変化を感じるのも良いですね。
俳句の季語は旧暦に基づいており、実際のカレンダーの季節感とはズレがあるかもしれませんが、なんとも趣深いものです。
秋の季語になっている果物の名前は大変たくさんありますので、一部をご紹介します。
- 青蜜柑(あおみかん)
- 無花果(いちじく)
- オリーブの実
- 柿・甘柿・渋柿・串柿・熟柿・富有柿・豆柿
- 花梨・花櫚 (かりん)
- 金柑(きんかん)
- 栗
- 胡桃(くるみ)
- 石榴(ざくろ)
- 酢橘(すだち)
- 橙(だいだい)
- 橘(たちばな)
- 梨・小梨
- 棗 (なつめ)
- 葡萄(ぶどう)・野葡萄・山葡萄・マスカット
- 桃・白桃・水蜜桃
- 林檎(りんご)
- 檸檬(レモン)
- 早生蜜柑(わせみかん)