ビタミンDは果物から摂れない?含有量の多い食べ物ランキング

最終更新日:2024/12/21

ビタミンDの多い食べ物で果物はランキング外−では多い食べ物は

骨の健康や免疫機能に重要な役割を果たすビタミンD。
実は、果物にはほとんど含まれていません。

この記事では、ビタミンDを効率的に摂取する方法と、含有量の多い食べ物ランキングをご紹介します。
この機会に、ビタミンDの食べ物を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか?

ビタミンDとは?役割と重要性

ビタミンDは、脂溶性ビタミンの一種です。
カルシウムとリンの吸収を促進し、骨の形成や健康維持に重要な役割を果たす栄養素です。
また、免疫機能の調節や、細胞の成長・分化にも関与しています。

ビタミンDは、以下の2つの方法で体内に取り込むことができます。

  • 皮膚で日光を浴びることで生成:日光中の紫外線B (UVB) を浴びると、皮膚でビタミンD3が生成されます。
  • 食品から摂取する:魚介類、きのこ類、卵など、ビタミンDを多く含む食品を食べることで摂取できます。

近年、日光を浴びる機会の減少や、食生活の変化により、ビタミンD不足が問題になっています。
ビタミンD不足は、骨粗鬆症、くる病、免疫機能の低下など、さまざまな健康リスクを引き起こす可能性があります。

含有量ランキングでは圏外:果物にビタミンDは含まれない?

結論から言いますと、果物にビタミンDはほとんど含まれていません。

ビタミンDは、動物性食品に多く含まれる栄養素です。
先ほどお伝えしたように、魚介類、きのこ類、卵などに多く含まれています。

果物に含まれているビタミンで多いものは何?

ビタミンDの含有量ランキングでは圏外の果物ですが、どんなビタミンが多く含まれているのでしょうか。
果物に含まれているビタミンで多いものは、ビタミンC、ビタミンB群、ビタミンA、ビタミンEなどです。

ビタミンC

  • 柑橘類(レモン、オレンジ、グレープフルーツなど)
  • キウイフルーツ
  • イチゴ
  • アセロラ

ビタミンB群

  • バナナ
  • アボカド
  • 柑橘類
  • キウイフルーツ

ビタミンA

  • マンゴー
  • パパイヤ
  • 干し柿

ビタミンE

  • アボカド
  • キウイフルーツ
  • アーモンド
  • ブルーベリー

これらのビタミンは、それぞれ体内で様々な役割を果たしています。

  • ビタミンC:免疫力向上、美肌効果、疲労回復効果など
  • ビタミンB群:エネルギー代謝、神経伝達物質の合成、皮膚や粘膜の健康維持など
  • ビタミンA:視力維持、皮膚や粘膜の健康維持、免疫力向上など
  • ビタミンE:抗酸化作用、血行促進、アンチエイジング効果など

果物はビタミン以外にも、食物繊維やカリウムなどの栄養素が豊富に含まれています。
健康な生活を送るためには、毎日様々な種類の果物を食べることをおすすめします。

果物を選ぶ際には、旬のものを選ぶとより栄養価が高く、美味しくいただけます。

また、果物はそのまま食べるだけでなく、スムージーやヨーグルトなどに混ぜたり、ジャムやソースにして料理に使ったりすることもできます。

色々な方法で果物を楽しみながら、ビタミンを積極的に摂取しましょう。

ビタミンCが多い果物ランキング

果物に含まれているビタミンの中でも健康維持を助ける栄養素で、体に嬉しい効果が期待できるのが「ビタミンC」。
ビタミンCが多いランキング上位の果物は、以下の通りです。

  • 1位 ゴールドキウイ(1個/140mg)
  • 2位 柿(1個/129mg)
  • 3位 いちご(200g/124mg)
  • 4位 パイナップル(200g/70mg)
  • 5位 グリーンキウイ(1個/69mg)

みかんなどの柑橘類ではなく、キウイや柿、いちごに多く含まれています。
特にゴールドキウイは、ビタミンCの多い食べ物の中でも上位です。
ビタミンCの他、ビタミンEやカリウムなど豊富な栄養素が含まれています。

ビタミンD含有量の多い食べ物ランキング

ビタミンDは果物にほとんど含まれていないため、ビタミンDを摂取するには他の食べ物から摂取する必要があります。
では、どのような食べ物にビタミンDが多く含まれているのでしょうか。
ランキング形式でご紹介します。

1位:きくらげ(乾燥)

ビタミンD含有量:100gあたり約128μg

2位:かつおの塩辛

ビタミンD含有量:100gあたり約120μg

3位:あんこうのきも

ビタミンD含有量:100gあたり約110μg

4位:鮭(生)

ビタミンD含有量:100gあたり約45μg

5位:ししゃも(干物)

ビタミンD含有量:100gあたり約40μg

6位:まいたけ(生)

ビタミンD含有量:100gあたり約38μg

7位:ぶり(照り焼き)

ビタミンD含有量:100gあたり約30μg

8位:たらの白子

ビタミンD含有量:100gあたり約28μg

9位:卵(黄身)

ビタミンD含有量:100gあたり約25μg

10位:チーズ

ビタミンD含有量:100gあたり約5μg

※ 上記は、食品100gあたりのビタミンD含有量の目安です。

ビタミンDをもっとも多く含むのはきくらげ。
野菜というよりもきのこ類にビタミンDが多く含まれており、揚げたり炒めたりと、調理方法によって吸収率を上げることができます。

ビタミンDで期待できる効果と1日の摂取基準量

残念ながら果物では補えないビタミンDですが、そもそもビタミンDを摂ることでどのような健康効果が期待できるのでしょうか。
また、1日にどのくらい摂取すべきなのでしょうか。

ビタミンDで期待できる効果

ビタミンDには、以下などの効果が期待できると言われています。

  • 正常な骨格と歯の形成・発育促進
  • 小腸でのカルシウムとリンの腸管吸収を促進させる効果
  • 免疫力アップ
  • がん予防
  • 心臓発作や脳卒中のリスク低下

近年、多くの人を悩ませている花粉症に関しても、ビタミンDを効率よく摂取することで花粉症に対して即効性があり、効果が期待できるとも言われています。

ビタミンDの1日の摂取基準量

次に、厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」から、ビタミンDの1日の摂取基準量をみてみましょう。

【男性】

  • 0〜11カ月:5.0μg
  • 1〜2歳:3.0μg
  • 3~5歳:3.5μg
  • 6~7歳:4.5μg
  • 8~9歳:5.0μg
  • 10~11歳:6.5μg
  • 12~14歳:8.0μg
  • 15~17歳:9.0μg
  • 18歳以上:8.5μg

【女性】

  • 0~11ヶ月:5.0μg
  • 1~2歳:3.5μg
  • 3~5歳:4.0μg
  • 6~7歳:5.0μg
  • 8~9歳:6.0μg
  • 10~11歳:8.0μg
  • 12~14歳:9.5μg
  • 15~17歳:8.5μg
  • 18歳以上:8.5μg

幼児・子供よりも、成長が著しい12~14歳の中学生頃に多く摂取するよう推奨されています。
18歳以上の20代、30代、40代、50代、60代、70代以上は8.5μgが摂取量の目安とされています。

また、女性の多くはビタミンD不足と言われています。
特に、妊娠によりビタミンD濃度が大きく減るようなので、妊娠中は積極的にビタミンDを摂取するよう指導されることが多いようです。

ビタミンDの摂り過ぎに注意

通常の食べ方で、ビタミンDを過剰に摂取することはほぼないと言われています。
しかし、「体にいいから」と、ビタミンDの食べ物やサプリなどを過剰に摂取してしまうと、高カルシウム血症が起こり、腎機能障害や食欲不振などの症状を引き起こす可能性があります。

また、反対にビタミンDが不足してしまうと、子供の場合は足の骨が変形するなど骨の発育不良を起こしたり、大人の場合は骨がもろくなったり、高齢になると骨粗鬆症になるリスクが高まります。

1日の摂取基準量を目安に、ビタミンDを摂ることが大切です。

ビタミンDを効率的に摂取するには?

ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、脂質と一緒に摂取すると吸収率がアップします。
そのため、魚介類を食べる場合は、皮ごと食べる、きのこ類はバター炒めにするなど、油と一緒に調理するのがおすすめです。

また、日光を浴びることでビタミンDを生成することができます。
夏場などは木陰などで30分程度、冬場は1時間程度の日光浴が必要だと言われています。

特に、高齢者は日光浴を浴びてもビタミンDが生成される量が少なくなり、加えて高齢になると外出する機会が減ってしまうので、骨粗鬆症や骨折のリスクを減らすためにも、日光浴を浴びる時間を長くすることが大切でしょう。

ただし、日焼け止めを塗っていると、ビタミンDの生成量が減ってしまいます。
そのため、日焼け対策をしながら適度に日光を浴びることが大切です。

まとめ

ビタミンDは果物にほぼ含まれていません。
しかし、果物はビタミンCやビタミンE、ミネラルなどが多く含まれている、美容や健康に最適な食べ物です。
日本人の多くがビタミンD不足と言われているので、魚介類やきのこ類、日光浴でビタミンDを補い、果物など他の食材もバランスよく食べながら、健康維持に努めていきましょう。

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