骨の健康や免疫機能に重要な役割を果たすビタミンD。
実は、果物にはほとんど含まれていません。
この記事では、ビタミンDを効率的に摂取する方法と、含有量の多い食べ物ランキングをご紹介します。
この機会に、ビタミンDの食べ物を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか?
ビタミンDとは?役割と重要性
ビタミンDは、脂溶性ビタミンの一種です。
カルシウムとリンの吸収を促進し、骨の形成や健康維持に重要な役割を果たす栄養素です。
また、免疫機能の調節や、細胞の成長・分化にも関与しています。
ビタミンDは、以下の2つの方法で体内に取り込むことができます。
- 皮膚で日光を浴びることで生成:日光中の紫外線B (UVB) を浴びると、皮膚でビタミンD3が生成されます。
- 食品から摂取する:魚介類、きのこ類、卵など、ビタミンDを多く含む食品を食べることで摂取できます。
近年、日光を浴びる機会の減少や、食生活の変化により、ビタミンD不足が問題になっています。
ビタミンD不足は、骨粗鬆症、くる病、免疫機能の低下など、さまざまな健康リスクを引き起こす可能性があります。
含有量ランキングでは圏外:果物にビタミンDは含まれない?
結論から言いますと、果物にビタミンDはほとんど含まれていません。
ビタミンDは、動物性食品に多く含まれる栄養素です。
先ほどお伝えしたように、魚介類、きのこ類、卵などに多く含まれています。
果物に含まれているビタミンで多いものは何?
ビタミンDの含有量ランキングでは圏外の果物ですが、どんなビタミンが多く含まれているのでしょうか。
果物に含まれているビタミンで多いものは、ビタミンC、ビタミンB群、ビタミンA、ビタミンEなどです。
ビタミンC
- 柑橘類(レモン、オレンジ、グレープフルーツなど)
- キウイフルーツ
- イチゴ
- アセロラ
ビタミンB群
- バナナ
- アボカド
- 柑橘類
- キウイフルーツ
ビタミンA
- マンゴー
- パパイヤ
- 杏
- 干し柿
ビタミンE
- アボカド
- キウイフルーツ
- アーモンド
- ブルーベリー
これらのビタミンは、それぞれ体内で様々な役割を果たしています。
- ビタミンC:免疫力向上、美肌効果、疲労回復効果など
- ビタミンB群:エネルギー代謝、神経伝達物質の合成、皮膚や粘膜の健康維持など
- ビタミンA:視力維持、皮膚や粘膜の健康維持、免疫力向上など
- ビタミンE:抗酸化作用、血行促進、アンチエイジング効果など
果物はビタミン以外にも、食物繊維やカリウムなどの栄養素が豊富に含まれています。
健康な生活を送るためには、毎日様々な種類の果物を食べることをおすすめします。
果物を選ぶ際には、旬のものを選ぶとより栄養価が高く、美味しくいただけます。
また、果物はそのまま食べるだけでなく、スムージーやヨーグルトなどに混ぜたり、ジャムやソースにして料理に使ったりすることもできます。
色々な方法で果物を楽しみながら、ビタミンを積極的に摂取しましょう。
ビタミンCが多い果物ランキング
果物に含まれているビタミンの中でも健康維持を助ける栄養素で、体に嬉しい効果が期待できるのが「ビタミンC」。
ビタミンCが多いランキング上位の果物は、以下の通りです。
- 1位 ゴールドキウイ(1個/140mg)
- 2位 柿(1個/129mg)
- 3位 いちご(200g/124mg)
- 4位 パイナップル(200g/70mg)
- 5位 グリーンキウイ(1個/69mg)
みかんなどの柑橘類ではなく、キウイや柿、いちごに多く含まれています。
特にゴールドキウイは、ビタミンCの多い食べ物の中でも上位です。
ビタミンCの他、ビタミンEやカリウムなど豊富な栄養素が含まれています。
ビタミンD含有量の多い食べ物ランキング
ビタミンDは果物にほとんど含まれていないため、ビタミンDを摂取するには他の食べ物から摂取する必要があります。
では、どのような食べ物にビタミンDが多く含まれているのでしょうか。
ランキング形式でご紹介します。
1位:きくらげ(乾燥)
ビタミンD含有量:100gあたり約128μg
2位:かつおの塩辛
ビタミンD含有量:100gあたり約120μg
3位:あんこうのきも
ビタミンD含有量:100gあたり約110μg
4位:鮭(生)
ビタミンD含有量:100gあたり約45μg
5位:ししゃも(干物)
ビタミンD含有量:100gあたり約40μg
6位:まいたけ(生)
ビタミンD含有量:100gあたり約38μg
7位:ぶり(照り焼き)
ビタミンD含有量:100gあたり約30μg
8位:たらの白子
ビタミンD含有量:100gあたり約28μg
9位:卵(黄身)
ビタミンD含有量:100gあたり約25μg
10位:チーズ
ビタミンD含有量:100gあたり約5μg
※ 上記は、食品100gあたりのビタミンD含有量の目安です。
ビタミンDをもっとも多く含むのはきくらげ。
野菜というよりもきのこ類にビタミンDが多く含まれており、揚げたり炒めたりと、調理方法によって吸収率を上げることができます。
ビタミンDで期待できる効果と1日の摂取基準量
残念ながら果物では補えないビタミンDですが、そもそもビタミンDを摂ることでどのような健康効果が期待できるのでしょうか。
また、1日にどのくらい摂取すべきなのでしょうか。
ビタミンDで期待できる効果
ビタミンDには、以下などの効果が期待できると言われています。
- 正常な骨格と歯の形成・発育促進
- 小腸でのカルシウムとリンの腸管吸収を促進させる効果
- 免疫力アップ
- がん予防
- 心臓発作や脳卒中のリスク低下
近年、多くの人を悩ませている花粉症に関しても、ビタミンDを効率よく摂取することで花粉症に対して即効性があり、効果が期待できるとも言われています。
ビタミンDの1日の摂取基準量
次に、厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」から、ビタミンDの1日の摂取基準量をみてみましょう。
【男性】
- 0〜11カ月:5.0μg
- 1〜2歳:3.0μg
- 3~5歳:3.5μg
- 6~7歳:4.5μg
- 8~9歳:5.0μg
- 10~11歳:6.5μg
- 12~14歳:8.0μg
- 15~17歳:9.0μg
- 18歳以上:8.5μg
【女性】
- 0~11ヶ月:5.0μg
- 1~2歳:3.5μg
- 3~5歳:4.0μg
- 6~7歳:5.0μg
- 8~9歳:6.0μg
- 10~11歳:8.0μg
- 12~14歳:9.5μg
- 15~17歳:8.5μg
- 18歳以上:8.5μg
幼児・子供よりも、成長が著しい12~14歳の中学生頃に多く摂取するよう推奨されています。
18歳以上の20代、30代、40代、50代、60代、70代以上は8.5μgが摂取量の目安とされています。
また、女性の多くはビタミンD不足と言われています。
特に、妊娠によりビタミンD濃度が大きく減るようなので、妊娠中は積極的にビタミンDを摂取するよう指導されることが多いようです。
ビタミンDの摂り過ぎに注意
通常の食べ方で、ビタミンDを過剰に摂取することはほぼないと言われています。
しかし、「体にいいから」と、ビタミンDの食べ物やサプリなどを過剰に摂取してしまうと、高カルシウム血症が起こり、腎機能障害や食欲不振などの症状を引き起こす可能性があります。
また、反対にビタミンDが不足してしまうと、子供の場合は足の骨が変形するなど骨の発育不良を起こしたり、大人の場合は骨がもろくなったり、高齢になると骨粗鬆症になるリスクが高まります。
1日の摂取基準量を目安に、ビタミンDを摂ることが大切です。
ビタミンDを効率的に摂取するには?
ビタミンDは脂溶性ビタミンなので、脂質と一緒に摂取すると吸収率がアップします。
そのため、魚介類を食べる場合は、皮ごと食べる、きのこ類はバター炒めにするなど、油と一緒に調理するのがおすすめです。
また、日光を浴びることでビタミンDを生成することができます。
夏場などは木陰などで30分程度、冬場は1時間程度の日光浴が必要だと言われています。
特に、高齢者は日光浴を浴びてもビタミンDが生成される量が少なくなり、加えて高齢になると外出する機会が減ってしまうので、骨粗鬆症や骨折のリスクを減らすためにも、日光浴を浴びる時間を長くすることが大切でしょう。
ただし、日焼け止めを塗っていると、ビタミンDの生成量が減ってしまいます。
そのため、日焼け対策をしながら適度に日光を浴びることが大切です。
まとめ
ビタミンDは果物にほぼ含まれていません。
しかし、果物はビタミンCやビタミンE、ミネラルなどが多く含まれている、美容や健康に最適な食べ物です。
日本人の多くがビタミンD不足と言われているので、魚介類やきのこ類、日光浴でビタミンDを補い、果物など他の食材もバランスよく食べながら、健康維持に努めていきましょう。