鉄分不足が気になる方の中には、「好きな果物で鉄分を摂取できれば…」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、鉄分の多い果物の種類や、スーパーなどで購入しやすい果物の鉄分と栄養素、ドライフルーツの鉄分などをご紹介します。
1日に必要な鉄分の摂取量や鉄分を効率よく摂取する方法もご紹介しますので、鉄分不足が気になる方はぜひ参考にしてみてください。
鉄分の多い果物の種類
果物の中でも鉄分の多いものを、以下に一覧でご紹介します。
- グーズベリー:1.3mg
- ラズベリー:0.7mg
- アボカド:0.7mg
- うめ:0.6mg
- ハスカップ:0.6mg
- パッションフルーツ:0.6mg
- アセロラ(酸味種・甘味種):0.5mg
- すだち:0.4mg
- やまもも:0.4mg
- キワノ:0.4mg
スーパーなどで購入しやすい果物の鉄分と栄養素
次に、スーパーなどの店舗で購入しやすい果物の鉄分含有量と栄養素について解説します。
今回は、ぶどう、みかん、りんご、メロンについてご紹介します。
ぶどうの鉄分と栄養素
皮付きのぶどう100gあたりの鉄分含有量は0.2mgです。
鉄分の他には、食物繊維、ポリフェノール、カリウム、ビタミンC、β-カロテンなどの栄養素が含まれています。
ぶどうは皮の部分に多くポリフェノールなどの栄養素が含まれているため、皮ごと食べられるぶどうがおすすめです。
みかんの鉄分と栄養素
みかん100gあたりの鉄分含有量は0.2mgです。
他には、ビタミンC、カリウム、カルシウム、葉酸、ビタミンA、食物繊維などの栄養素が含まれています。
みかんはりんごやぶどうに比べると、カロリーや糖質も低めです。
ビタミンが豊富なため、肌荒れや風邪予防の効果に期待できます。
りんごの鉄分と栄養素
りんご100gあたりの鉄分含有量は0mgと、りんごに鉄分は含まれていません。
ただりんごはビタミンCをはじめ、カリウムやリン、β-カロテン、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれているため、鉄分の吸収を高めてくれる働きも担っています。
メロンの鉄分と栄養素
メロン100gあたりの鉄分含有量は0.3mg。
他には、食物繊維やカリウム、ビタミンCなどが含まれています。
特に赤肉のメロンの場合は、β-カロテンが100g中3600μgと多く含まれており、アンチエイジングやがん予防の効果に期待できます。
生の果物よりも鉄分量が多いドライフルーツ
生の果物よりも鉄分が多いイメージのあるドライフルーツ。
実際、果物の水分を蒸発させて作るドライフルーツは、生の果物よりも鉄分含有量は多いです。
例えば、レーズンとプルーンの鉄分含有量は以下の通りです。
- レーズン:2.3mg
- プルーン:1.0mg
ドライフルーツは生のフルーツのように痛むことがなく、手軽に美味しく食べられます。
そのため、鉄分不足が気になる方には、ドライフルーツはおすすめです。
ただし、ドライフルーツは糖質も高いので、食べすぎに注意しましょう。
果物の中でも特に鉄分を多く含むスーパーフルーツ「なつめ」
なつめは、中国北部で多く栽培されている果実です。
生のなつめは、ほんのりした甘味の中に酸味もあり、食感はシャキッとしているので、りんごに似ています。
乾燥させたなつめが、中国や韓国の薬膳料理に使用されることが多いです。
なつめの鉄分含有量は、100gあたり1.5mgと果物の中でも鉄分が多いです。
他にもタンパク質・食物繊維・カリウム・鉄・葉酸が豊富なことから、別名「東洋のスーパーフルーツ」として注目されています。
調理せずにそのままでも食べられるなつめのドライフルーツや、ドライフルーツを乾燥させたままスライスし、ノンフライさせたなつめチップスなどががおすすめです。
鉄分の1日あたりの摂取量
ここまで果物の鉄分含有量についてご紹介しましたが、1日に必要な鉄分量がどのくらいなのか気になりますよね。
1日に必要な鉄分量の目安は、以下の通りです。
- 成人男性:7.5mg
- 成人女性(月経あり):10.5mg
- 成人女性(月経なし):6.5mg
鉄分の多い果物でご紹介したグーズベリーは鉄分含有量が1.3mg、ドライフルーツのレーズンでも2.3mgなので、果物だけで鉄分を補うのはかなり難しいことがわかります。
果物以外で鉄分を多く含む食材
では、果物以外で鉄分を多く食材はどのようなものがあるのでしょうか。
まず鉄分には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類あります。
- ヘム鉄:肉や魚などの動物性食品に多く含まれる
- 非ヘム鉄:野菜や大豆製品、海藻類などの食物性食品に多く含まれる
吸収率が高いヘム鉄に対し、非ヘム鉄はヘム鉄ほど吸収率は高くはありません。
鉄分以外のビタミンC、たんぱく質と一緒に摂取することで吸収率が良くなります。
ヘム鉄を多く含む肉や魚
鉄分を多く含む肉や魚は、以下などが挙げられます。
- 豚・鶏・牛のレバー類
- 牛ヒレ肉
- カツオ
- イワシ
特に豚レバーは1食分60gで鉄分含有量が7.8mgと、1食分だけで1日の摂取量が達成できます。
ただ、レバーの独特な味と食感から苦手な方も多いので、牛ヒレ肉やカツオなどを意識して摂るといいでしょう。
非ヘム鉄を多く含む野菜や穀物
次に鉄分を多く含む野菜や穀物は、以下などが挙げられます。
- 小松菜
- ほうれん草
- 枝豆
- 乾燥ひじき
- 厚揚げ(生揚げ)
中でも小松菜は1食分70gで鉄分含有量2mgと、果物よりも鉄分が多いです。
また、小松菜やほうれん草などの葉物野菜は、炒めたり茹でたりすることでカサが減るので、より摂取しやすくなるというメリットがあります。
鉄分を効率よく摂取する方法
果物の鉄分含有量は少ないので、どちらかといえば果物で鉄分を摂取するというよりも、「鉄分の吸収率をアップさせるためにビタミンCが豊富な果物を摂取する」という方が、より効率的に鉄分を摂取することが可能です。
そのため、鉄分を効率よく摂取する方法としては、以下の方法を試してみると良いでしょう。
- ヘム鉄の摂取を心がける
- 非ヘム鉄とビタミンCが豊富な果物を組み合わせて吸収効率をアップさせる
また、タンニンは鉄分の吸収効率を下げてしまうので、緑茶やコーヒー、紅茶、ワインなどは食事中には控えた方がいいでしょう。
まとめ
今回は、鉄分の多い果物や鉄分の効率的な摂り方についてご紹介しました。
果物だけで1日分の鉄分を摂取するのは難しいので、日頃の食事は果物以外の食材から鉄分を摂り、より効率的に鉄分を摂取するために果物を食べるのが良いでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。