ぶどうは、ビタミンやカリウムなど豊富な栄養素を含む果物として知られています。
実は、あまり知られていないのですが、ぶどうには鉄分も含まれています。
鉄分は、体内に酸素を運ぶ役割を持つ重要なミネラルです。
今回は、ぶどうに含まれる鉄分の効果的な摂取方法や、食べ合わせの注意点などについて解説します。
毎日の食生活にぶどうを取り入れて、健康的な生活を目指しましょう。
ぶどうは鉄分が多い果物
鉄分を多く含んでいる果物といえば、プルーンを思い起こす方も多いかもしれませんね。
しかし、意外にもプルーンを抜いて鉄分の含有量が多いのは、ぶどうなのです。
特に、ぶどうジャムや干しぶどうに鉄分を多く含んでいます。
ドライプルーンと、ぶどうジャムや干しぶどうの可食部100gあたり鉄分含有量を比較すると、以下のとおりです。
- ドライプルーン:1mg
- 干しぶどう:2.3mg
- ぶどうジャム:3.3mg
プルーンの約2〜3倍近く鉄分が、干しぶどうなどに含まれていることがわかります。
ちなみに缶詰のぶどうには、可食部100gあたり鉄分0.9mgと、ドライプルーンとほぼ同等の鉄分が含まれています。
鉄分摂取のためのぶどうの効果的な食べ方
ぶどうに含まれる豊富な鉄分を最大限に活かすには、どのように摂れば良いのでしょうか。
干しぶどうや、ぶどうジャムの効果的な食べ方をご紹介します。
ヨーグルトに混ぜる
鉄分は体内のどこで吸収されるかというと、腸です。
発酵食品であるヨーグルトは、乳酸菌やビフィズス菌を生きたまま腸まで届けます。
これらの善玉菌は、悪玉菌の増加を抑制し、腸内環境を良くする働きがあることはよく知られていますね。
ヨーグルトと干しぶどうやぶどうジャムを一緒に摂ることで、腸の働きが良くなり、鉄分を効果的に摂取できるでしょう。
ビタミンCと一緒に摂る
ぶどうに含まれる鉄分は、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がアップするのをご存じですか?
ビタミンCを多く含む、次のような野菜や果物と一緒に食べることで、鉄分の吸収率を上げることができます。
- パプリカ
- ブロッコリー
- 赤ピーマン
- いちご
- 柑橘類
- 柿
- キウイフルーツ
- マンゴー
効果的にぶどうの鉄分を摂取するための注意点
効果的にぶどうに含まれる鉄分を摂取するには、いくつか注意すべき点があります。
調理方法、飲み物、食べ方について、気をつけたいポイントをご説明します。
ビタミンCと一緒に鉄分を摂る時は調理方法に注意
ぶどうと一緒に食べると鉄分の吸収を高める栄養素が、ビタミンCとご紹介しました。
ビタミンCは、熱に弱い栄養素です。
加熱すると失われてしまいやすいため、調理する時は長時間火を通すことは避けたほうが良いでしょう。
火を通しても短時間、あるいはサラダなどで食べることがおすすめです。
飲み物はタンニンに注意
コーヒーや紅茶、緑茶などに含まれるタンニンは、鉄分の吸収を阻害します。
そのため、食事中や食後に濃い緑茶や紅茶、大量のコーヒーを飲むのは控えたほうが良いでしょう。
鉄分の吸収率を下げないためには、タンニンを含まない飲み物をおすすめします。
食事中や食後には、麦茶や水などを選ぶと良いでしょう。
もし、コーヒーや紅茶、緑茶を飲みたい場合は、時間をずらします。
食後2~3時間くらい経ってから、食間に飲むのがおすすめです。
よく噛んで食べる
効果的にぶどうの鉄分を摂取するためには、よく噛んで食べましょう。
よく噛みながら食べると、胃酸が出ます。
胃酸は消化を助けますので、鉄分の吸収が高まります。
干しぶどうで鉄分を摂取するには1日何粒
手軽に食べやすい干しぶどうですが、1日何粒ぐらい食べれば良いのでしょうか。
1日の鉄分の摂取量の目安は、年齢や性別でも異なります。
成人男性で7.5〜9.5mg、成人女性では10mg前後と言われています。
計算すると5粒程度になるでしょう。
しかし、鉄分の吸収率は約1割と言われ、摂取した鉄分は吸収されにくい性質があります。
乾燥しており栄養が詰まっている干しぶどうは、カロリーや糖分が高めです。
過剰摂取にならないよう、気をつけて食べましょう。
ぶどう以外の鉄分の多い果物
ぶどう以外にも、鉄分の多い果物があります。
可食部100g中の鉄分量と合わせてご紹介します。
- 梅びしお(砂糖と合わせた練り梅):7.0mg
- 生の梅の塩漬:2.9mg
- パイナップルの砂糖漬:2.5mg
- ドライあんず:2.3mg
- ドライいちじく:1.7mg
- ドライなつめ:1.5mg
- 生グーズベリー:1.3mg
- ドライブルーベリー:1.2mg
- ドライバナナ:1.1mg
- ドライプルーン:1.0mg
- 梅干し:1.0mg
まとめ
ぶどうには鉄分が多く含まれており、特にぶどうジャムや干しぶどうなどを摂取するのがおすすめです。
ただし、鉄分の吸収はタンニンに阻害されやすいです。
そのため、コーヒーや紅茶、緑茶などを飲む時は時間帯をずらすなど工夫しましょう。
腸内環境を改善するヨーグルトやビタミンCを含む食品と組み合わせて、効果的にぶどうから鉄分を摂取できるようにしましょう。