お寺で法事をする際、お供え物を用意する場合が多いですが、お供え物には定番とされているものがあり、その1つに果物があります。
果物はお供え物として喜ばれますが、どんな果物を選んだらいいのか、カゴ付きがいいのかなど、特に初めてお供え物を選ぶ方にとってはわからないことも多いでしょう。
そこで今回は、お供え物として果物をお寺に持参する際の様々な疑問についてお応えします。
お寺で法事をする際のお供え物は果物がおすすめ
四十九日や一周忌などの法事をお寺で行う場合お供え物を持参しますが、お供え物に悩んだら果物を選んでみてはいかがでしょうか。
お供え物の定番には、果物以外にも、お花やお菓子、ろうそくやお線香などがありますが、お供え物として果物が選ばれるには理由があり、
- 色鮮やかな果物を置くことで祭壇が華やぐ
- 季節の移り変わりを感じられる
との理由から、お供え物としてふさわしいとされています。
また、肉や魚などの生ものは殺生を意味することからお供えには不向きですが、生ものに分類される果物は生でも殺生には当たらないので、ご先祖様への食べ物としてふさわしく、丸い果物は「丸=縁」を連想することから、故人との縁を大切にするという意味合いでも果物が選ばれています。
お寺にお供えする果物の選び方
では次に、お寺のお供え物として果物を用意する場合の選び方についてご紹介します。
果物は日持ちするものを選ぶ
「お寺の法事のお供えにふさわしい果物」というのは特にありませんが、お供えした果物は、お参りが終わった後にお供え物を「お下がり」として参列した人で分け、一部をお裾分けとしてお寺の方にも分けるので、りんごやみかん、梨など日持ちする果物が最適と言われています。
いちごやバナナなどは傷みやすいのでおすすめしません。
故人が好きだった果物
法事は、故人の冥福を祈り、故人を偲ぶ会。
そのため、日持ちする果物の中でも、特に故人が好きだった果物を選ぶと良いとされています。
ただし、故人が好きだった果物でも、マンゴーなどの香りが強い果物や汁が出やすい果物はお供え物には不向きなのでご注意ください。
果物の個数
果物を個別買いする際に注意したいのが個数。
割り切れる偶数は「故人との縁が切れる」という意味から、偶数ではなく奇数がふさわしいとされています。
4や9も死や苦を連想させることから避けられていますが、8は末広がりという意味から縁起が良いと言われているため、偶数でも良いとされています。
お寺にお供えする果物の購入方法と金額の相場
お供え物の果物はどこで購入できるのか、また、金額も気になるのではないでしょうか。
そこで、お寺にお供えする果物の購入方法と金額の相場についてご紹介します。
果物の購入方法
お供え物の果物の購入方法は、
- スーパー
- 果物専門店
- 百貨店
- ネット通販
の4つ。
スーパーは安価で気軽に購入できる反面、本格的なカゴ盛りは売ってはいません。
ただ、化粧箱に果物を詰めてくれるスーパーや個包装された果物セットが売られているスーパーもあるので、予め問い合わせておくと安心でしょう。
千疋屋などの果物専門店は果物の種類が豊富な上、法事など用途に応じた果物の詰め合わせや、包装やのしなどのサービスも充実しています。
高島屋などの百貨店でもお供え物用の果物が販売しており、冠婚葬祭の知識を持ったスタッフがいるので、何を選んだらいいのか相談することができるので安心でしょう。
近くに果物専門店や百貨店がなくても、今はそれぞれネット通販で購入することもできるので、法事当日に合わせてネットで注文するのもおすすめです。
金額の目安
一般的なお供え物の金額の目安は、5,000円〜10,000円。
台が付いた立派なかご盛りだと10,000円〜20,000円と、購入先や果物の個数・種類、装飾によって金額に差が出るので、香典も包む場合は、香典も合わせた予算を組んでおくといいでしょう。
お供え物の値段としては、高くても8,000円以内に抑えることが多く、自分の年齢や血縁関係で金額に差が出る傾向が強いです。
ただ金額はあくまでも目安で、2,000円や3,000円だから問題というわけでもありませんし、縁が深いから30,000円包むのも考え方の1つですが、困った時は親族の年長者に聞くのが一番でしょう。
お供えする果物はお寺の場合かご盛りと個別買いどちらがいいのか
お寺にお供えする果物を選ぶ際、かご盛りと個別買いのどちらがいいのかでも悩みます。
かご盛りを選ぶメリット・デメリットは、
- メリット
祭壇が華やかで見栄えがよく、そのままお供えができる - デメリット
高価、ゴミが増える
対して個別買いのメリット・デメリットは、
- メリット
かご盛りに比べて安く、好きな果物を選べる - デメリット
そのまま置けず、祭壇に盛り付けなければならない
と、それぞれメリットやデメリットがあります。
どちらが良い悪いというわけではないですが、お寺によっては「かご盛りではなくお盆に乗る程度の果物を」と言われることもあります。
分けて持ち帰られないほどの量の果物は必要なく、不要なゴミを出さないという理由からなので、お供え物の果物に関してはそれほどこだわらず、故人が好きな果物を数種類個別買いするのも考え方の1つです。
個別買いした果物をお供えする際の盛り付け方
個別買いした果物を祭壇にお供えする際は、「高坏(たかつき)」や「供物台」に、三角形に折った(頂点がずれた形の)半紙を敷いて、その上に果物を置くのが一般的です。
果物をそのまま置かないようにしましょう。
かご盛りの場合は、カゴのまま正面がこちら側に向く形でお供えしますが、置き方に関してはお寺の方に聞くのが一番でしょう。
お寺にお供え物を郵送する場合のマナー
遠方や仕事などの都合でどうしても参列できない場合は、郵送でお供え物を送って気持ちを伝えることが大切です。
お供え物を送るタイミングですが、当日は忙しく荷物が受け取れない可能性もあるため、親族に都合が良い日時を確認して送ると確実でしょう。
また、一緒に手紙やメッセージカードを付けるとより気持ちを伝えることができるので、お供え物と一緒に送りましょう。
文面には季節の挨拶は入れず、
「謹んでお悔やみを申し上げますとともに、ご遺族の皆様のご健康をお祈り申し上げます」
「参列できず誠に申し訳ございません。心許りですが御霊前にお供えください。」
など、故人と家族を思いやる文章を書きましょう。
まとめ
今回は、お寺のお供え物として果物を選ぶ際の、様々な疑問についてお応えしてまいりました。
お供え物の選び方やマナーに関しては、四十九日や一回忌だけでなく、三回忌や七回忌なども関わってきますので、これを機会に覚えておくと安心です。
ぜひ参考にしてください。