ワインは、ぶどうを原料とした果実酒です。
世界中で愛されるワインには、様々な種類があり、それぞれ異なる味わいを楽しむことができます。
この記事では、ワインの種類と自家製サングリアを作る際の注意点について詳しくご紹介します。
安全に美味しくサングリアを楽しむために、ぜひ参考にしてください。
ワインは果実酒の一部
ワインと果実酒は違うお酒、と思われている方も多いでしょう。
しかし、ワインは果実酒の種類の1つです。
ぶどうを圧搾・発酵して作るものを「ワイン」と呼び、ぶどう以外の果汁を発酵して作る果実酒のことを、別名「フルーツワイン」と呼びます。
フルーツワインの代表とも言われているのが、りんごを原料としたりんご酒「シードル」です。
ヨーロッパやアメリカ、カナダをはじめ、日本ではりんごの産地の青森県などでも醸造されている人気のお酒です。
果実酒とワインの違いはほぼない
果実酒とワインは同じもので違いはありません。
ですが、酒税法上「果実酒」と「甘味果実酒」には違いがあります。
果実酒は、ワインなどぶどうを原料として発酵させたものに対し、甘味果実酒はワインをベースにブランデーなどの蒸留酒を加えてアルコール濃度をあげたものや、ベルモットなどの薬草類で風味付けされたものを言います。
果実酒の1つワインの種類
お酒は、以下のように分類されます。
- 醸造酒
- 蒸留酒
- 混成酒
ワインは醸造酒に該当します。
さらにワインは造り方によって、以下の4種類に分けられます。
- スティルワイン(泡立ちのない赤ワイン・白ワイン・ロゼワイン)
- スパークリングワイン(ワインの中に二酸化炭素を閉じ込めた発泡性のワイン)
- フォーティファイトワイン(ぶどうの発酵途中でブランデーなどの蒸留酒を加えたもの)
- フレーヴァードワイン(ワインに果物や薬草を加えたもの)
スティルワインは、赤ワインなどの馴染みのある一般的なワインです。
スパークリングワインは、フランスのシャンパーニュ地方で造る「シャンパーニュ(シャンパン)」が該当します。
フォーティファイトワインは、スペインの「シェリー」、ポルトガルの「ポート」などがあります。
フレーヴァードワインは、スペインの「サングリア」やイタリアの「ヴェルモット」がこれにあたります。
赤ワインと果物で作るお酒:サングリアのレシピ
ではここで、フレーヴァードワインに分類される、サングリアの作り方をご紹介します。
ワインよりも飲みやすくなるので、お酒が弱い方にもおすすめです。
サングリアの作り方
今回は、赤ワインベースのサングリアの作り方をご紹介します。
カットしたフルーツを組み合わせるのですが、以下などの数種類のフルーツを混ぜ合わせるとより美味しくなります。
- オレンジなどの柑橘類
- いちごやブルーベリーなどのベリー系
材料
- お好みの赤ワイン:1本(安いものでOK)
- オレンジ・りんご:各1個
- いちご・ブルーベリー・ラズベリー等:適量(100g〜150g)
- ブランデー:大さじ2
- シナモンスティック:1本
- 砂糖またははちみつ(甘さを加えたい場合大さじ1〜2)
作り方
- いちごなどのベリー系をよく洗い、オレンジなどは皮を剥いて適当な大きさにカットする。
- ピッチャーなどに果物、赤ワインを入れる。
- 砂糖を入れる場合は、ここでお湯などで溶かして加えよく混ぜる。
- ブランデー、シナモンスティックを加え、2時間ほど冷蔵庫で冷やせば完成。
最後に、お好みでソーダやオレンジジュースなど、お好みのドリンクを加えても美味しく仕上がります。
自家製果実酒を作る際の注意点
サングリアは、自宅でも簡単に作ることができ、女性に人気のおしゃれなお酒ですが、自宅で作る場合はいくつか注意点があります。
その理由は、自宅でお酒を作る場合は酒類製造免許が必要だからです。
免許がないままぶどうなどの果物や米、麦、あわなどの穀物類、酒類に他の材料を混ぜる「混和」は、違法行為とみなされる可能性があります。
特にサングリアなどは、アルコール度数の低い(20度未満)ワインに果物を長く漬け込むことで再発酵され、新たなワインを醸造してしまう恐れがあるため、作り方に注意しなければなりません。
サングリアを作る際は、以下の4点に注意して作るようにしましょう。
- 飲む直前にワインとフルーツを混ぜ合わせ、作り置きをしないこと
- 飲みきれる量を作ること
- ぶどうを使わないこと
- アルコール分20度以上で、酒税が課税済みの酒類を用いること
自家製サングリアを美味しく作るためのポイント
自家製サングリアを美味しく作るには、いくつかのポイントがあります。
ワイン選び
サングリアのベースとなるワインは、軽めの赤ワインや白ワインがおすすめです。
渋みが強いワインや甘口のワインは、サングリアにすると味が重くなりすぎてしまうことがあります。
フルーツ選び
サングリアに入れるフルーツは、旬のものを選ぶとより美味しくなります。
柑橘系、ベリー系、りんごなど、色々な種類のフルーツを組み合わせると、味に深みが出ます。
漬け込み時間
フルーツをワインに漬け込む時間は、冷蔵庫で3~4時間程度が目安です。
漬け込み時間が長くなると、フルーツから酸味が強く出てしまうので注意しましょう。
飲み方のポイント
- シナモンやクローブなどのスパイスを加えると、香り豊かなサングリアになります。
- 炭酸水で割ると、より爽やかに楽しめます。
- 氷を入れて飲むのもおすすめです。
これらのポイントを参考に、ぜひ自分好みの自家製サングリアを作ってみてください。
果実酒に入れた果物が変色する理由と対策
果実酒作りで、せっかく漬け込んだ果物が変色してしまうと、見た目も味も台無しになってしまいます。
なぜ、果物は変色してしまうのでしょうか?
そして、変色を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?
果物が変色する理由
果物が変色する主な理由は、以下の2つです。
ポリフェノール酸化酵素による褐色化
果物には、ポリフェノールと呼ばれる色素成分が含まれています。
ポリフェノールは、空気中の酸素に触れると酸化酵素によって褐色に変色します。
特に、りんご、バナナ、桃などの果物はポリフェノールを多く含んでいるため、変色しやすいです。
アントシアニンによる青紫色への変色
ブルーベリーやイチゴなどの果物には、アントシアニンと呼ばれる色素成分が含まれています。
アントシアニンは、pHによって色が変化する性質があります。
果実酒のアルコール度数や酸度によって、アントシアニンが青紫色に変色することがあります。
変色を防ぐ対策
果物の変色を防ぐには、以下の対策が有効です。
ポリフェノール酸化酵素の働きを抑える
- 果物を密閉容器で漬け込む
果物を密閉容器で漬け込むことで、果物が空気中の酸素に触れるのを防ぎ、ポリフェノール酸化酵素の働きを抑えることができます。
- レモン汁やクエン酸を加える
レモン汁やクエン酸には、抗酸化作用があります。
これらは、ポリフェノール酸化酵素の働きを抑える効果があります。
- ビタミンCを加える
ビタミンCにも抗酸化作用があり、ポリフェノール酸化酵素の働きを抑える効果があります。
- 果物を焼酎で漬ける
焼酎には、抗酸化作用のある成分が含まれています。
そのため、焼酎で果実酒を作ると、果物の変色を抑えることができます。
アントシアニンの変色を抑える
- 果実を冷凍してから漬ける
果実を冷凍してから漬けることで、アントシアニンの分解を抑制することができます。
- クエン酸を加える
クエン酸は、アントシアニンの色素を安定させる効果があります。
- pH調整を行う
アントシアニンは、pHによって色が変化します。
果実酒のpHを調整することで、アントシアニンの青紫色を維持することができます。
上記の対策を参考に、果実酒作りを楽しんでください。
まとめ
ワインは、ぶどうを原料とした果実酒です。
世界中で様々な種類のワインが造られており、それぞれに独特の味わいを楽しめます。
今回ご紹介した自家製サングリアも、材料や作り方を変えることで、オリジナルの味わいを楽しめます。
ぜひ、自分好みの果実酒を見つけて、ワインの世界をさらに深く味わってみてください。