甘い味や香りが魅力の桃は、夏から秋にかけてピークを迎える果物です。
収穫の時期を迎えた桃は、そのまま食べる他、ケーキなどのスイーツに使われるほど人気があり、まさしく老若男女が好きな果物と言えます。
今回ご紹介するのは、その人気の果物の桃を果実酒で楽しむ方法です。
桃の果実酒を作る前の準備とポイント、そして作り方やおすすめの飲み方などについてご紹介します。
また、自家製の桃の果実酒の賞味期限や保存方法についても触れていますので、ぜひ一度ご覧ください。
桃の果実酒を作る前の3つの準備とポイント
自分の好みの味が作れる、自家製の桃の果実酒。
桃の果実酒は桃とお酒、そして砂糖などがあれば簡単に作ることができます。
しかし、桃の果実酒を作る時は、桃やお酒、保存容器の選び方や準備がポイントです。
そこで、桃の果実酒を作る時に必要な準備とポイントを3つご紹介します。
その1:桃の果実酒に使うお酒のアルコール度数
自家製の桃の果実酒を作る時は、アルコール度数が35%以上のものを使うのがおすすめです。
その理由は、果物のエキスを十分に引き出す効果があるからです。
そして、雑菌の発生を防ぎ、桃の果実酒を長期保存することができます。
その2:桃の果実酒を作る時の保存容器の選び方と準備
桃を始め、果物を果実酒として漬ける場合は、熱湯で消毒できるガラス瓶を用意しましょう。
また、ガラス瓶でも以下の条件を満たすタイプなら、さらに安心です。
- 広口のタイプ
- しっかりとフタが閉まるもの
さらに、桃の果実酒に使用する保存容器は、使用するお酒の量の2倍のサイズがおすすめです。
例えば、1.8リットルのお酒で桃を漬けるなら、4リットル以上が必要です。
ただし、あまり大きすぎる保存容器は持ち運びに不便なので、2倍のサイズを目安に用意してみましょう。
桃の果実酒を作る時は、必ず事前に煮沸消毒、もしくは熱湯で洗います。
その3:果実酒に使用する桃の選び方と下準備
桃の果実酒をおいしく仕上げるなら、桃の選び方と下準備がマストです。
まず、果実酒に使う桃は、新鮮で傷がなく、固めのものを選びましょう。
そのため、桃の収穫時期の最盛期の7〜8月、もしくは晩生の9〜10月に収穫される桃がおすすめです。
また、果実酒用の桃は、皮をむく、もしくは皮のままでも使えます。
さらに、桃を扱う時は、できるだけ傷をつけないように注意しましょう。
桃の皮をむいて使う場合は、できるだけ薄く、産毛をとるような感覚でむきます。
皮のまま漬ける場合は、キッチンペーパーで優しくこすり、産毛を落としましょう。
桃の果実酒のカロリーと栄養素について
一般的な市販の桃の果実酒のカロリーは100mlあたり約146kcalです。
このカロリーは、メーカーや手作りする時の砂糖の量により異なります。
桃の果実自体は100gあたり38kcalと低カロリーです。
ただし、缶詰の桃はシロップ漬けのため、多少カロリーが高いです。
また、果実酒に使う桃にはたくさんの栄養素があります。
【桃の主な栄養素】
- カリウム
- 食物繊維E
- ビタミンC
- ビタミンE
桃の果実酒の作り方
それでは、基本の桃の果実酒の作り方についてご紹介します。
【材料】
- 桃:800g〜1kg
- ホワイトリカー(35度以上):1.8リットル
- 氷砂糖:400g
- レモン(お好みで):4個
【作り方】
- 桃とレモンを水洗いし、皮をむき、半分または4等分にカットします。
- 保存容器に桃とレモン、氷砂糖、ホワイトリカーを入れてしっかりとフタをします。
- 2週間ほどで飲めますが、3カ月ほど熟成させるとさらにおいしく仕上がります。
桃で果実酒を作る場合、保存状態が良ければ一年程度、果実を入れたままでもOKです。
また、同様の方法で、すももや山桃などに挑戦してみるのもおすすめです。
さらに、桃の品種をいろいろ試し、味の比較を楽しむ方法も良いでしょう。
今回ご紹介したホワイトリカーとは焼酎の一種で、甲類焼酎に分類されます。
この甲類焼酎は、蒸留を何度も繰り返して作られたお酒です。
そのため、無味無臭に近く、癖がないので果物の味や色を存分に引き出せるお酒です。
桃の果実酒に氷砂糖が必要な理由
桃の果実酒を作る場合、多くのレシピでは氷砂糖が登場します。
この氷砂糖は、普通の砂糖よりもゆっくりと溶け出す性質があります。
そのため、浸透圧の関係で桃にアルコールをしみ込みやすくし、アルコールがしみ込むことで桃の風味が出やすく、熟成されます。
このようなことから、桃を始めとした果物を使った果実酒には、氷砂糖が使われます。
氷砂糖を使わずに桃の果実酒は作れる?
糖質が気になる方や、甘いお酒が苦手な方は、できるだけ砂糖を使わず作りたいものですよね。
上記でお伝えしたように、桃の果実酒に氷砂糖を使うと桃の風味が出やすいメリットがあります。
しかし、桃の果実酒は氷砂糖を使わずに作る方法も可能です。
砂糖を使わない桃の果実酒は、本来の桃の味がダイレクトに伝わる味に仕上がります。
ただし、桃の風味がアルコールにしみ出るまでに時間を要するので、通常よりも仕上がりは遅めです。
そのため、砂糖を使わずに桃の果実酒を作る場合は、熟成期間を長くしたり、使用する桃の量を多くすると良いでしょう。
さらに、氷砂糖を使わない場合は、熟成中の桃が腐敗しやすくなるため、保存容器の消毒を念入りに行いましょう。
また、桃の果実酒に使う糖分を、はちみつや黒糖などに変える方法もおすすめです。
桃の果実酒の飲み方
桃の果実酒は氷を入れてロックで、もしくは水割りやお湯割でもおいしくいただけます。
また、炭酸やお好みのジュース、ヨーグルトで割る方法もおすすめです。
さらに、ラム酒などのリキュール類や、スパークリングワインなどで割るとさらに大人の味に変身します。
桃の果実酒に使用した桃は、一部をピューレにして果実酒に入れてとろとろ感を味わうのもおすすめです。
もしくは、ジャムにして、ケーキやヨーグルトにトッピングする方法でも楽しめます。
桃の果実酒を使ったレシピに挑戦
桃の果実酒は、さまざまなお菓子のアクセントとしてとても便利です。
特に桃の果実酒を使ったシャーベットやゼリーなどは材料も少なく、簡単に作れるのでおすすめです。
例えば、桃の果実酒のシャーベットは、果実酒とお好きなジュースを混ぜ合わせて、冷凍庫で凍らせれば完成です。
また、桃の果実酒のゼリーなら、ゼラチンや水を加えて冷やし固めるだけで完成します。
このように、桃の果実酒はさまざまお菓子のレシピで活躍します。
桃の果実酒が作れるお酒の種類
先述の通り、桃の果実酒に使うお酒はアルコール度数が35%以上がおすすめです。
中でも桃のおいしさを引き出すなら、ホワイトリカーが向いています。
しかし、桃の味にお酒の風味をプラスした果実酒も、たまには飲みたくなるものです。
そこでおすすめする桃の果実酒に向いているお酒は、ブランデーやウイスキー、日本酒などです。
特に、果実酒用に作られているお酒もありますので、利用してみましょう。
その中でも、果実酒用に向いているブランデーはサントリーの「果実の酒用V.O」です。
そして日本酒なら、苗場酒造の「苗場山 果実酒用日本酒」が人気です。
これらのお酒は、果実との相性を考えた手法で作られているので、おいしい桃の果実酒ができます。
また、宝酒造の「果実の季節mini」なら、桃を漬けてから3日程度で果実酒を楽しめます。
自家製桃の果実酒の賞味期限と保存方法
自家製の桃の果実酒の賞味期限は、保存状態が良ければ一年以上持ちます。
そのため、長期間保存したい場合は、果実酒の扱いや保存場所が重要です。
桃の果実酒は、直射日光が当たらならい冷暗所に保管しましょう。
また、桃の果実が酸化したり腐る原因は、空気に触れることで起きます。
そのため、果実酒の中で桃が浮いてきたらお酒を注ぎ足したり、もしくは桃をくし切りにして作ると良いでしょう。
ただし、桃の果実酒が変色したり、異臭がする、味がおかしいと感じた時は、飲むのをやめましょう。
市販で人気ランキング上位の桃の果実酒
桃を使用した果実酒は、市販でもたくさん販売されています。
そこで今回は、人気ランキング上位の桃の果実酒をご紹介します。
梅乃宿:あらごしもも
日本料理店や居酒屋などで人気の、日本酒を使った桃の果実酒です。
ピューレ状の桃が入っているので、とろりとした味わいが楽しめます。
KRAND:MOMO
和歌山県紀の川市桃山町のブランド桃、あら川の桃を使用したスパークリング酒です。
桃のみずみずしさと、弾ける炭酸が楽しめると評判です。
宮下酒造:白桃のお酒
上品で爽やかな香り、そしてジューシーな桃をふんだんに使用した果実酒です。
かわいらしい丸瓶で、ギフトやお土産にぴったりです。
まとめ
桃の果実酒を作る時は、アルコール度数が35%以上のものを使用しましょう。
そして、保存瓶は密封性があり、熱湯で洗えるガラス瓶で広口タイプがおすすめです。
さらに、傷のない固めの桃を選ぶことがポイントです。
桃の果実酒は保存状態が良ければ一年以上楽しめます。
また、お酒の種類を変えると、さまざまな桃の果実酒が味わえます。
ただし、果実酒であってもアルコール飲料であることに変わりはなく、未成年者が飲むことは法律で禁止されています。
たとえ少量であっても未成年者にとって危険な飲み物です。
未成年者に果実酒を勧めたり、飲酒を黙認したりしないよう、責任を持って行動しましょう。